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自らアクションを起こし、ボールも人も動く「志の高いサッカー」をしている横浜F・マリノスや、夏場の連戦が重なった川崎フロンターレが失速しかけているのも暑さの影響によるものかもしれない。一方でFC東京が勝点を伸ばして首位を走っているが、彼らにはACLの負担がなく、またラグビー・ワールドカップ開催中に味の素スタジアムが使えなくなるため、リーグ戦前半にホームゲームが多かったという事情もある。さらに久保建英が退団してからのFC東京は永井謙佑とディエゴ・オリヴェイラを走らせる戦い方が主体でカウンター狙いのリアクション・サッカーに徹しており、その分「省エネ」につながっているという事情もある。
フットボールというのは、もともとイングランドで冬のスポーツとして行われていたものだ。今でもアメリカン・フットボールやオーストラリアン・フットボール(オージーボール)は冬限定のスポーツだし、ラグビーも冬が主体。一年中やっているサッカーでもヨーロッパの競合国は秋春制で真夏は(短いものだが)シーズンオフとなる。
つまり、高温多湿となる真夏の日本では本来ならサッカーはやらない方がいいのだ。
ただ、日本のスポーツは学校スポーツとして発展してきた経緯があり、学校の夏休みに試合が行われるのが伝統となっている(それでも全国高校サッカー選手権が冬場に行われるのはフットボールが冬のスポーツと認識されていた時代の名残だ)。一方、Jリーグのようなプロスポーツの場合は、夏休みの時期は観客動員が見込めるので、夏の開催を止めるのが難しい。秋春制論議はJリーグが発足した直後からずっとくすぶっているが、日本は豪雪地帯を抱えており、そうした地域では冬場の試合開催が難しいという事情もある。
だが、やはりサッカーの質を高め、何よりも選手たちの健康に害を及ぼさないためにも、夏場の大会をどうするのか、根本から考え直すべき時期がきているのは間違いない。
まず、夏場に試合を行うのなら、できる限り北海道や東北北部といった暑さが厳しくない地域で行うべきだろう。高校総体やクラブユースなど各種の集中方式の大会は、北日本に開催地を固定すべきだ。開催地にとっては負担になるかもしれないが、そうした地域で高いレベルの試合がたくさん行われれば当該地域でのサッカー振興にもつながる。
リーグ戦方式の大会では、なるべく北海道や東北のクラブのホームゲームを増やすことはできそうだ。「公平性」という意味では理想的ではないが、たとえばコンサドーレ札幌とかモンテディオ山形などは現在でも開幕直後の寒さが厳しく、雪の多い時期にはホームゲームが開催できない。その分、もし夏場にホームの連戦が設けられれば、そうした北国のクラブにとっては「公平度」が増すことになる。
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