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得点力に悩む北海道は
ロースコアに持ち込みたい
湘南は、今シーズンの9試合の成績を見ると、得点者が複数にバラけているのがわかる。これは昨シーズンと同様の傾向で、一昨シーズンまではチーム内で突出してゴールを取りまくっていたエースのロドリゴが、昨シーズンから得点前のチャンスメークをするケースが多くなっている影響だろう。
チーム内でストライカーが1人いると成績は安定するものだが、ここぞという決定機を逃さない能力が多くの選手に備わっていれば、それは大きな強みになる。対戦する北海道にとっては、失点を防ぐために複数人を警戒しなければいけないわけで、それだけゲームは難しくなるからだ。
ロドリゴやマルロンは、ミドルシュートのシーンが多い。刈込真人や高溝黎磨にはドリブルが決まった後に大チャンスが来る。鍛代元気はゴール前の反応が速い。本田真琉虎洲の警告累積による出場停止はマイナス材料だが、それでも豊富な運動量を誇る湘南が思うように暴れ回るようだと、点差のつく試合になるかもしれない。
一方、前節は最下位のボアルース長野に6‐2できっちり勝利し、順位を10位に上げた北海道は、その勢いをもってアウェーゲームに臨みたいところだ。チームの課題は、ここまでリーグワーストの13ゴールという得点不足。それだけに長野戦で6ゴール取れたのは朗報なのだ。
ここまで長く北海道の得点力を支えてきた水上玄太(リーグ通算4位の226ゴールを誇る)が、今シーズンはまだ2ゴール。湘南のロドリゴと似たような立場で、チャンスメークに労力を割かれて、シュートチャンスに恵まれていないようだ。それだけに、長野戦で2ゴールを挙げた高山剛寛ら、他の選手が得点力をカバーする体制が必要だろう。
いずれにしても、現在の得点力であれば、湘南の攻撃をしっかり凌いでロースコアの展開に持ち込みたいところ。ボールを奪ってからのチャンスをきちんと決めて、湘南を苦しい立場に持っていきたい。
文:菊地 芳樹
菊地 芳樹
1971年生まれ、神奈川県出身。ライター&編集者。サッカーの技術情報誌「ストライカーDX」元編集長。フットサルは競技が誕生した1990年代半ばより、日本のトップレベルを追いかけ、全国大会、Fリーグ、アジア選手権、ワールドカップなどを取材。自らも長くプレーを楽しんでいる。
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