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第2段階では、さらに新システム(3−4−3)も導入して攻撃面でのオプションを増やすことに成功した。
スリーバックを初めて使ったトリニダード・トバゴ戦では、新システムはあまり効果的ではなかったが、次のエルサルバドル戦ではスリーバックが機能し始めた。
まず、両翼にサイドバックの長友佑都や酒井宏樹ではなく、エルサルバドル戦では伊東純也と原口元気というアタッカーを起用。そのため、アウトサイドで高いポジションを取ることができた。また、最終ラインのDF3人も新システムに慣れて、エルサルバドル戦の2ゴールはどちらもDFの冨安健洋、畠中槙之輔が起点となっていた。
森保監督3−4−3にはなくてはならない動きだ。
かつて、アルベルト・ザッケローニ監督も何度かスリーバックを試みたことがあるが、結局は新システム導入を断念した。それをたった2試合目で機能させることができたのは、最近の若い選手たちの戦術理解能力の高さのおかげであろう。
こうしてアジアカップで第2段階を終了した森保監督。
第3段階はワールドカップ2次予選からと考えているのだろう。格下の相手に最強メンバーを当てる必要はない。真剣勝負の戦いの中で新戦力を発掘しながら、新システムに習熟できるようにすればいい。そして、2次予選の間に新システムを完成させる……。こうして、2次予選のうちに第3段階を終え、そして五輪代表チームと融合させて最終予選に臨むというのが森保監督が描いている「工程表」のはずである。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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