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日本には、不運もあった。開始3分のフランスの先制ゴールはGKの山下がゴールライン上で弾き出したように見えたが、レフェリーがゴールを認めたもの。ゴールラインテクノロジーなり、VARがあれば、取り消されたはずだ。2失点目もCKくずれから相手のクロスが熊谷に当たって相手に渡り、打たれたシュートは枠から外れていたが、中島に当たってコースが変わったというもの。
日本の選手のパフォーマンスが悪かったのは、フランスに到着してから中2日しか準備の時間がなかったことにもよるだろう。当然、移動の疲れや時差の影響がある。
日本のプレーに通用した部分はあった。MFの杉田のパフォーマンスは良かったし、FWの小林のドリブル突破も効果的だった。そして、日本の得点シーンは杉田妃和のパスを小林里歌子がスルーし、中島依美がシュート。フランスのGKがこれを弾いたところに小林が詰めて押し込んだという美しいゴールだった(GKが交代した直後で、フランスにとっては不運な失点だったが)。だから、ボールをつないで相手陣内まで運ぶ回数を増やすことさえできれば、得点の機会も増えるだろう。
ただ、それを阻んだのがフランスのフィジカルの強さとスピードだった。
だからこそ、日本は集団的に戦わなければならないのだ。それは、女子でも、男子でも、年代別でも変わらない。いや、日本のあらゆる競技に当てはまる日本スポーツ界共通の課題だろう。
だが、その集団的なプレーというところで、なでしこジャパンはまだ十分な成熟度にないのだ。
高倉麻子監督は、まだメンバーを固定せずに、若い選手を試し続けており、最終的なメンバーがどうなるかまったく見えてこないのだ。なにしろ、遠征に向けて招集された23人のうち11人が国際試合のキャップ数が1桁という新しい選手ばかりなのだ。
3月のアメリカ遠征の時は、第1GKの山下も第2GKの池田もチームの事情で参加できないような状態だった。このアメリカ遠征でも若手がつぎつぎとテストされた。フランス戦に出場していたFWの小林、MFの杉田もアメリカ遠征で国際舞台でも十分い通用することを証明したばかりの選手。DFの南萌華もこの遠征で素晴らしいプレーをした選手だ。
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