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サッカー フットサル コラム 2019年1月16日

《全国高校サッカー選手権大会》「もういらない」と言われた男~青森山田・橋本峻弥~

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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結果的にその年のチームは高円宮杯プレミアリーグEASTを制し、勢いそのままにチャンピオンシップも制覇。さらに高校選手権でも頂点に登り詰め、全国二冠を達成する。“二冠目”を埼玉スタジアム2002のスタンドから見届けていた橋本は、ただただ憧れに近い眼差しでピッチを見つめていた。「本当に優勝した瞬間は『さすがだな』というか、優勝してもおかしくないチームだったので、『やっぱりな』と思いましたし、あの時の景色を見て『自分もこうなりたい』って思ったんです」。1年で2度も日本一に輝いた兄や先輩たちを見て、自らの未来にも期待感が増していく。ところが橋本の行く手に立ちはだかった障壁は、ピッチ内よりもピッチ外でのそれだった。

「自分は生活面でやらかしてしまうことが多くて、本当にサッカーできない時期が何回もあったんです…」。苦笑しながら思い出す1,2年時。いろいろな面で“やらかして”いたが、特に多かったのが寝坊。「次はやらないって思うんですけど、それを繰り返していて…」。2年生も終盤を迎えた頃。変わらない日々に業を煮やした黒田剛監督は、橋本に厳しい言葉を投げ掛ける。

「『もういらない』って監督に言われました。『人間が変わるのには何十年も掛かる。オマエはもう変わらないだろ』って」。新チームが立ち上がろうとするタイミングでの一言は、激しく胸に突き刺さる。「正直チームに必要とされていなくて、コーチにも仲間にも必要とされていないように思えて、本当に悔しかったんです」。16歳の冬。橋本は大きな人生の岐路に立たされていた。

この地へ来た意味を考える。この地へ送り出してくれた親の想いを考える。兄があれほどまでに高い意識でサッカーに取り組んでいた理由を考える。まさに後がなくなるギリギリのタイミングで、橋本はようやく本当に自分を変える決意を固める。

「まずは簡単なことですけど、寝坊をしないために“アラームをちゃんと何個も掛ける”とか、そういうメチャクチャ単純なことなんですけど、自分にとってはとってそれが難しかったので、そこから意識しました」。一つずつ。一つずつ。一歩ずつ。一歩ずつ。メチャクチャ単純なことから改めていく。

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