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もし、先制ゴールが生まれた後の10分間の攻勢で2点目が奪えていれば、試合は決まり。アーセナルの一方的な完勝となっていたのかもしれない。
ところが、ここで粘り腰を見せたのがトッテナムだ。
ロリスらの鉄壁の守備で失点を防ぎ、キレキレの孫興民(ソン・フンミン)を走らせてカウンターを狙っていたトッテナム。30分には左サイドでクリスティアン・エリクセンが蹴ったFKにエリック・ダイヤーが頭で合わせて同点とすると、4分後には孫興民がペナルティエリア内で倒されたという判定で、トッテナムにPKが与えられ、あっという間にトッテナムが逆転してしまう。
このPKの場面、孫興民はロブ・ホールディングとベジェリンに挟まれており、接触はあったかもしれないが、PKというのはあまりに厳しい判定。もし、プレミアリーグでもVARが導入されていれば、取り消されていたかもしれない微妙な判定だった(その後は、孫興民にボールが渡るたびに、エミレーツ・スタジアムに口笛が鳴り響くこととなった)。
決められる場面で決め切れず、セットプレーから失点して逆転されたアーセナル……。いわゆる「嫌な展開」という流れである。前半終了間際にも攻勢をかけてチャンスを作ったものの、やはり決め切れずにハーフタイム。後半、再び盛り返せるのかが注目された。
すると、後半に向けて、ウナイ・エミリ監督はシャドー・ストライカー2人を同時に変える思い切った交代策を選択した。
ムヒタリアンにしても、イウォビにしても、特にプレーが悪かったわけではないのだ。いや、迫力ある攻撃の主役だったと言ってもよかった。それを、ハーフタイムであっさりと交代させるのは勇気ある決断だったはず。そして、この交代策が実際に効果を発揮して、アーセナルは後半も再びゲームを支配することに成功したのだ。
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