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もし外国人枠がなくなったとして、いちばん手っ取り早い強化方法は無名のブラジル人(アルゼンチン人でもいいが)を数多く加入させることだろう。「シャフタール・ドネツク方式」とでも言おうか。
シャフタールの場合、ブラジル人の攻撃力を活用することによってチャンピオンズリーグの常連となり、そこで育てた選手(ウィリアンとか、フェルナンジーニョとか……)を西側のビッグクラブに移籍させて経営的にも潤った。日本でも、かつてのフッキのようにJリーグ経験者が、ブラジル代表のエースに駆け上った例もあるから、そういう強化法も可能だし、「費用対効果」を考えれば、イニエスタ・クラスを1人獲得するよりも、ずっと効果的だろう(神戸は苦戦中)。
ブラジル人主体、アルゼンチン人主体のそんなチームも見てみたいきもするが、それでJリーグのレベルが格段に上がるとは思えない。
1990年代のJリーグではブラジル代表クラスだけでなく、ギド・ブッフバルトやドラガン・ストイコビッチなどワールドクラスが何人もプレーしており、同時に日本人選手のレベルもまだ低かった。だから、外国籍選手の加盟は日本のレベルアップにつながった。
だが、今のJリーグの現状を考えれば、外国人枠を撤廃することだけで、急にリーグのレベルが格段に上がるとは思えない。つまり、外国籍選手枠撤廃によって生じる「若手の出場機会の減少」というデメリットを埋め合わせるほとの効果は期待できないのではないか。Jリーグでは、やはり当分の間は外国籍選手の人数は制限していくべきだろいうと、僕は思う。
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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