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サッカー フットサル コラム 2018年8月6日

新スタジアム完成はビッグクラブへの道?旧スタジアムのレガシーも生かした見事な開発計画

後藤健生コラム by 後藤 健生
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いずれの面でも、トッテナム・ホットスパースタジアムは世界最高、最新のスタジアムになることは間違いない。これからスタジアムを開発しようとしている人たちにとっては見逃せない先例となっていくことだろう。 新スタジアムは、かつてのホワイトハート・レーンに隣接して建てられた。いや、「隣接」というより、新スタジアムの南側はかつてのスタジアムの跡地の上に建設された(新スタジアムのピッチの南半分は旧スタジアムのピッチに重なる位置に当たる)。

新スタジアム計画策定にあたっては、遠く離れた候補地も検討され、さらにはアーセナルと共同スタジアムとする案もあったという。その点、旧スタジアムとオーバーラップした位置に新スタジアムが建設されるというのは、クラブの伝統を守る上でも、またサポーターの忠誠心を維持するためにも最高の選択だった。

また、取り壊されたスタジアムのゲートを新スタジアムでも活用したり、基礎の一部も再利用したり旧スタジアムのいくつもの構造物が残される。かつてのホワイトハート・レーンは、20世紀初頭にイングランドやスコットランドでいくつものスタジアム設計に携わったアーチボルト・リーチが設計したスタジアムで、古き良き(20世紀前半の)イングランドのフットボール・グラウンドの雰囲気を残した名建築だった。

新スタジアム建設するのは時代の趨勢であり、避けられないことではあるが、歴史あるスタジアムの記憶を大事にしながら新スタジアムが開発されたのはうれしいことだ。こういう心遣いが積み重なって、その国のサッカー文化が育まれていくのであろう。 日本でも、これから、新しいサッカー専用スタジアムが建設されていくだろう。観戦環境が良くて美しいスタジアムであるのは当然として、クラブの伝統、地域の伝統を大事にした設計にしてほしいものである。

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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