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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引き込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。 「栗村修の"輪"生相談」では、日頃のライドのお悩みからトレーニング方法、メンタル面の相談など、サイクリストからの様々な相談にお答えしております。栗村修に聞いてみたい、相談してみたいことを募集中。相談の投稿はこちらから。

2022年07月06日

【輪生相談】ペダリングについて左右のアンバランスさを感じているのですが改善方法はありますか?

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ペダリングについて左右のアンバランスさを感じているのですが改善方法はありますか?

(会社員 男性)

栗村さんからの回答

栗村さん

ペダリングに限らず、左右差で悩んでいる方は意外に多いと思います。これまでも同様のご質問にお答えしたことがありますが、それだけ需要があるということなので、あえて定期的にお答えしますね。

自転車という乗り物は基本的に左右対称につくられていますが、人体の左右バランスには癖があるため、違和感を覚える方は多いようです。

ロードバイクに乗っている人を後ろから観察することがあるのですが、たまにぱっと見でわかるくらい左右どちらかににお尻が落ちてしまっている方がいます。乗っている本人が気付かないのは、左右非対称な身体を左右対称の自転車に無理やり順応させているからでしょうね。

僕も左右バランスには悩んだ一人です。幼稚園のころから10年間、サッカーという、身体を非対称に使うスポーツ(効き脚ばかりでボールを蹴っていたため)に勤しんできた結果、左右に相当のアンバランスさがあったんです。具体的に言うと、ノギスで測って厳密に左右対称にセットしたクリートも、どういうわけか左足のほうが深く、ガニ股気味に感じてしまうんですね。僕の身体や身体感覚にゆがみが生じていたためです。

この違和感が消えるまでかなりの時間がかかりました。身体に一度染み付いたゆがみは、整体などに通っただけで簡単に解消されるものではなく、偏った状態で発達した筋肉や神経系を元に戻すのにはそれなりの時間を要します。

さて、改善方法ですが、2通りあります。身体や感覚を矯正して左右差をなくすか、それとも曲がった身体に合わせてバイクをセッティングするかです。

僕はこの2通りの方法を並行しながらアンバランスさと戦ったのですが、最終的に「まあ、いいかな」と思えるようになったのは22歳の時でした。実に8年もかかったのです。

自分の体に合わせたバイクでレースにのぞむ選手たち

なので、質問者さんも、長い目でつきあってください。僕の場合、まずは曲がった身体(感覚)に合わせてクリート位置をセットし、その後徐々に左右対称になるように矯正していきました。「徐々に」というのがポイントです。一気にやると、最悪、痛みが出たり故障につながる恐れもありますから。

具体的には、固定タイプのクリートを左右対称にセットしたシューズを履いて、3本ローラー台などに乗るといいでしょう(正面に鏡を置いて視覚的にも左右対称であることを確認してください)。僕も同じことをやりましたが、最初はとんでもなく違和感があったことを覚えています。セッティングはあきらかに左右対称なのに、僕の身体と感覚がゆがんでいたからです。ただし、脚の長さや足の大きさが左右で極端に違うなど、ゆがみではなく形の左右差についてはここでは考慮していません。

辛抱強く乗り続けているうちに少しずつ身体が変わっていき、最終的にはほぼ左右対称になれました。ポイントは一気に左右バランスを整えようと思わずに、週1回・1時間ずつとか、少しずつ修正することです。

あまりにひどい場合は、整体など他の人の力を借りることをお勧めしますが、いずれにしても急に矯正しようとすると、腰痛や膝痛などの原因になるので、無理は禁物。時間をかけて直してください。

文:栗村 修・佐藤 喬

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