大盛況のデンマークを駆け抜けた第109回ツール｜辻啓のStravaデータから読み解くツール・ド・フランス

天気に恵まれた第2ステージ

強風により集団分裂が心配されたステージ終盤のグレートベルト大橋は向かい風が吹いたため波乱は起こらず。集団スプリントを制したファビオ・ヤコブセン（オランダ）がクイックステップ・アルファヴィニルにステージ2連勝をもたらしたものの、ステージ2位でボーナスタイムを獲得したワウト・ファンアールト（ベルギー、ユンボ・ヴィスマ）にマイヨジョーヌは移っています。

大会3日目の第3ステージは、第2ステージで逃げてマイヨアポワを獲得したマグナス・コルト（デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト）が地元デンマークを沸かせながら単独逃げを試み、山岳賞ランキングのリードを広げる展開に。

ツール出場選手の中でステージ中盤の4級山岳（登坂距離740m・平均勾配5．1％）を最速で駆け上がったのはシリル・バルト（フランス、B＆Bホテルズ・KTM）で、そのタイムは1分32秒。同じ集団内で走っていたファンデルプールの平均心拍が133bpmだったことからもわかるように、おそらくバルトは追い込むことなく集団内で走行しただけ。参考までにこのセグメントでKOMを保持しているのは地元のアマチュアライダーです。数値的にもアマチュアライダーであってもKOMに手が届くセグメントだけに、今後は熾烈なKOM争いが繰り広げられることになるかもしれません。

集団スプリントで競り合う選手たち

第3ステージは再び集団スプリントに持ち込まれ、ディラン・フルーネウェーヘン（オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ）が勝利してファンアールトが3日連続のステージ2位に。3日間にわたってデンマークを沸かせたツールは、ファンアールトが総合首位に立った状態でフランスへと移動します。北海に面したダンケルクで再始動するツールは、パヴェ（石畳）が登場する難関ステージを挟んでアルプス山脈へ。ラルプデュエズやガリビエ峠といった名峰で、選手たちは果たしてどんな数値をSTRAVA上で見せてくれるでしょうか。お気に入りの選手をフォローして毎日アップされるデータを見ると、また違ったツールの楽しみ方が生まれるかもしれません。