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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第3ステージ】23カ月の呪縛を解く会心のスプリント!フルーネウェーヘンとヤコブセン、運命は交錯しながらも2人は前へ進んでいく
ツール・ド・フランス by 福光 俊介マグナス・コルト
レース前半を盛り上げたのは、今大会の“ファンキーガイ”マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト)。前日に続いてファーストアタックを決めると、今度はひとり逃げで沿道のファンの目を独占。なにせ自国のスター選手が独走しているのだから、沿道からの声援は並のものにとどまるなんてありえない! コルトも笑顔で応えてみせたり、山岳ポイントではスプリントをしたりと充実のパフォーマンス。この日最後となる3つ目の4級山岳通過時には、山岳賞のマイヨ・アポワ堅守を決めて全身で喜びを表現してみせた。
盛り上げ役をコルトに任せたメイン集団は、90.5km地点に設けられた中間スプリントポイントでようやくエンジン始動。コルトの通過から1分45秒後、ファンアールトが先着した。クリストフ・ラポルトの発射から全体の2位通過を決めて、17点を獲得。ポイント賞のマイヨ・ヴェール争いを順調に進めている。
これをきっかけにメイン集団はレース終盤を見据えた動きへと移っていく。数チームがアシストを出しあってペーシングを図って、着実に残り距離を減らす。フィニッシュまで52kmを残したところでコルトが集団に戻ってきたので、そこからは一団で進行。安全にデンマークでの日々を終わらせるべく、プロトンの勇者たちは結託した。
それでも、少しばかりのトラブルは発生した。残り10kmになろうかというタイミングで集団を二分するクラッシュが発生。それからもコーナーやラウンドアバウト通過のたびにバランスを崩す選手が現れては、隊列が乱れた。
危険を回避した選手で迎えた最終局面。主導権を確保したクイックステップ・アルファヴィニルの後ろに、ファンアールトを引き連れたユンボ・ヴィスマ勢が続く。最終コーナーを抜けると残りは800m。ミケル・モルコフ(クイックステップ・アルファヴィニル)の長い牽引ののち、勝負のときを迎えた。
ユンボ・ヴィスマ勢は狙い通りのはずだった。ところが、発射台のラポルトが任務を終えたモルコフと進路が重なってしまい、ファンアールトを孤立させてしまった。予定より早くスプリントを始めざるを得なくなったマイヨ・ジョーヌは、自身から右のフェンス側を閉めてペーター・サガン(トタルエナジーズ)やカレブ・ユアン(ロット・スーダル)の浮上を阻止したが、その逆から伸びてきたフルーネウェーヘンの勢いを食い止めることはできなかった。
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