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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第1ステージ】4カ国にまたがる3週間の旅の始まり。デンマーク本来の姿である“雨”を味方につけたランパールトの頬をつたった涙
ツール・ド・フランス by 福光 俊介「今日のコンディションからして、トップ10に入れれば良いと思っていた。確かに調子は良かったけれど、こんなことが起きるなんて想像すらしていなかった。勝因は…恐れずにコーナーを攻めたことだと思う」(イヴ・ランパールト)
その通り、直線部分の平均スピードはファンアールトを下回っていたが、コーナースピードで他を圧倒。テクニカルなコースレイアウトに加えて、雨というコンディションを考えると、アベレージスピード51.821kmは驚異的な走りだったといえるだろう。
ホットシートに腰を下ろしてからは、たびたびおどけていた彼だけれど、最終走者まで見届けて勝ったことを確認すると人目をはばからず涙、涙、涙…。ちょっと落ち着いたところでポディウムに上がったけれど、キャリア初めてのマイヨ・ジョーヌに袖を通してやっぱり涙、涙、涙…。フランス放送局のインタビュー中にチームマネージャーのパトリック・ルフェヴェルが姿を現すと、また涙、涙、涙…。ツール出場3回目、31歳がやり遂げた大仕事。達成感とともに、新型コロナ感染で直前にメンバー外となった親友のティム・デクレルクへの思いも去来した。頬を濡らしたのは雨よりも、涙の方が多かったに違いない。
最終的に、ランパールトから5秒差でファンアールトが2位、同じく7秒差でポガチャルが3位。総合系ライダーでは、ヴィンゲゴーが15秒差の7位、ログリッチが16秒差の8位。まだまだ始まったばかりで、その差も小さいとはいえ、大会初日からポガチャルが最終的なマイヨ・ジョーヌ争いのポールポジションに立ってみせた。このあたり、今後のレースの流れにどう反映されるだろうか。
新型コロナに翻弄された過去2大会を忘れ去ろうとするほどに、いつになく華やかに始まったツール・ド・フランス。熱気あふれるデンマークでの旅は、もう少し続く。第2ステージは、終盤にデンマーク最大の橋「グレートベルト・リング」を通過する。全長18km、常に海からの強風が吹いているというこの区間は、プロトンに何らかの影響を与える可能性が高い。そこにはどんなシナリオが待っているのだろうか。
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