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【Cycle*2022 クリテリウム・デュ・ドーフィネ:レビュー】ツール前哨戦でユンボ・ヴィスマが全てに圧倒!ツール総合優勝を狙うログリッチ「僕ら2人のうちどちらか1人が勝てる」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2020年ジロ総合覇者テイオ・ゲイガンハートや、昨季のジロ&ブエルタ表彰台コンビ、ジャック・ヘイグとダミアーノ・カルーゾは一気に後方へと蹴落とされた。落車で脚を痛めていた昨ブエルタ総合2位エンリク・マスは、とうの昔に脱落した後。ただ昨ツール総合4位のベン・オコーナーだけが、ユンボの攻勢に最後まで抵抗を試みたが、ログリッチには残り1.5kmの加速一発で振り払われ、ヴィンゲゴーにはフィニッシュライン手前で先行を許した。
過去2年のツール総合2位コンビは、2022年ドーフィネの総合上位2位の座に駆け上がっただけでは満足しなかった。最終第8ステージは、さらに凄まじい猛威を振るう。
最終ステージで2人一緒にフィニッシュするログリッチとヴィンゲゴー
「僕らにはプランがあった。まずは僕がアタックし、プリモシュが僕に続くというもの。他のライバルたちを引き離せるかどうか、確かめたかったんだ」(ヴィンゲゴー)
大会2日目とTT区間を除いて毎日なんらかの形で前に飛び出していたピエール・ロランが、前日すでに山岳ジャージを確定済みにも関わらず相変わらず逃げていたが、ユンボもまた熱心に追走作業に取り組んだ。緑のジャージに着替えたファンアールトも、集団前方で牽引役を務め、最終峠では元ツール総合3位ステフェン・クライスヴァイクが、高速テンポでメイン集団を切り刻んだ。
そして残り5.5km、ヴィンゲゴーがついにプランを実行する。クライスヴァイクが仕事を終えると同時に、ダンシングスタイルで強烈なアタックを打った。ログラは後輪に予定通りに張り付いた。やはり最後までただ1人粘っていたオコーナーには、もはやついていく脚がなく……あとはフィニッシュまで2人きり。
ユンボ・ヴィスマは、これ以上ないほど完璧な形で、8日間の戦いを締めくくった。ヴィンゲゴーが区間を、ログリッチが総合を。手に手を取って、互いの健闘をたたえながら。
もちろん2人は総合でもワンツーフィニッシュを果たした。ログリッチは2つ目の忘れ物を取り返した。最終日に首位から陥落した2021年大会のリベンジを成し遂げたパリ〜ニースに続いて、2020年に総合首位のまま負傷リタイアを余儀なくされたクリテリウム・デュ・ドーフィネで、念願の黄色いジャージを持ち帰った。
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