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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第21ステージ】ジャイ・ヒンドレーが忘れ物を取り戻す悲願のジロ総合制覇「オーストラリア人であることを心から誇りに思う」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかまた総合9位と10位が入れ替わり、つまりフアン・ロペスは順位をひとつ落としたが、新人賞の白いジャージは余裕で守りきった。アルノー・デマールが2年ぶり2度目のマリア・チクラミーノを射止め、クーン・ボウマンはオランダ人として初のジロ山岳王に君臨した。
大会序盤にタンデム逃げを何度も見せたドローンホッパー・アンドローニジョカトリの2人は、フィリッポ・タリアーニが中間スプリント賞を、マッティア・バイスがフーガ賞(617km)、それぞれに持ち帰った。
トロフェオ・ボナコッサ賞に選ばれたヴィンチェンツォ・ニバリ
そして37歳ヴィンチェンツォ・ニバリは、2010年に生まれて初めてジロ総合表彰台に上ったヴェローナの円形闘技場で、選手人生最後のジロを締めくくった。3大ツール全制覇を誇る「メッシーナの鮫」は、ジロには計11回参戦し、総合優勝2回、表彰台4回、ステージ7勝。最後の成績は総合4位だった。記者で構成される審査団から「トロフェオ・ボナコッサ賞=最も美しい偉業を成し遂げた選手」に選ばれ、最後にもう一度、最終日の表彰台に上がった。
やはりヴェローナでマリア・ビアンカに輝いたリッチー・ポートは、残念ながら、思い出の地にたどり着く2日前にジロに別れを告げた。ニバリの2度目のジロ制覇時に、共に総合表彰台に上ったアレハンドロ・バルベルデも、ついにジロでは見納めとなる。
バルベルデが人生31回目のグランツールで、26回目の完走を果たし、一方でマチュー・ファンデルプールは生まれて初めて3週間を最後まで走り切った。初日ステージ勝者にして今大会初代マリア・ローザは、連日レースに火をつけ、この日も爆走で区間3位に飛び込んだ。当然のように総合敢闘賞をかっさらった27歳は、次はもちろん、この夏のツール・ド・フランスで大暴れする予定だ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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