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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第21ステージ】ジャイ・ヒンドレーが忘れ物を取り戻す悲願のジロ総合制覇「オーストラリア人であることを心から誇りに思う」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかつまり今大会2度の個人TTはいずれもバイクエクスチェンジ・ジェイコが持ち帰り、また大会開催国イタリアは、異なる5人の選手で5つのステージを制した。
「素敵な気分だ。信じられない。僕は自分をタイムトライアルスペシャリストだと思っているけれど、この先はロードレースでの結果も目指していく。たとえばタイムトライアルを含むステージレースで、総合にも挑戦したい。特にモルティローロでは総合選手たちにそれほど遅れず登ることができたから、自分に自信が持てたんだ」(ソブレロ)
21ステージを制したマッテオ・ソブレロ
勝つ気満々でソブレロは「前夜は上手く寝付けなかった」そうだが、ほんの24時間前にマリア・ローザをまとったヒンドレーは、「かなりクレイジーな気分」で今大会最後のスタートラインについた。ただ2020年の0秒差とは違い、今年は1分25秒の余裕があった。
「最終日前日にピンクジャージを取って、最終日のタイムトライアルに向かう……っていうのは2年前と同じ状況だったけど、でも、うん、今日はより自信を持って臨むことができた。コースが自分に向いていたし、TT練習を重ねてきたし、なにより2年前の教訓があったから。神経質にはならなかった。それでもすごく緊張したし、2020年と同じことを繰り返すつもりはなかった。今日は勝ちを引き寄せたかった」(ヒンドレー)
この5月29日に29歳の誕生日を迎えたリチャル・カラパスは、3年前は、この同じヴェローナの最終タイムトライアルでマリア・ローザを着ていた。しかし前夜、6日間守り続けてきたリーダージャージを脱いだエクアドル人は、この日はTTナショナルチャンピオンジャージで全力疾走に挑んだ。
サスペンスも、ドラマチックな逆転劇も、もはや2人の間には起こらなかった。そもそも第1ステージから第19ステージまで、ヒンドレーとカラパスの最大タイム差は10秒でしかなく、第16ステージ以降は3秒差で激しく競り合ってきた。そんな実力が恐ろしく拮抗した2人は、この日もやはり、凄まじい僅差のまま。なにしろ山の頂上の第1中間地点では、カラパスがわずかに0.83秒上回っただけなのだ!
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