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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第21ステージ】ジャイ・ヒンドレーが忘れ物を取り戻す悲願のジロ総合制覇「オーストラリア人であることを心から誇りに思う」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマリア・ローザのジャイ・ヒンドレー
イタリアントリコローレがフィナーレの日に華々しく輝き、ばら色のジャージが、いにしえの勇者の記憶を永遠に留める円形闘技場に帰り着いた。マッテオ・ソブレロが最終個人タイムトライアルを圧倒し、ジャイ・ヒンドレーが第105回ジロ・デ・イタリアの総合勝者として、「トロフェオ・センサ・フィーネ(終わりのないトロフィー)」を天に掲げ持った。
「マリア・ローザを着て、アリーナへと走り込んだときの気持ちは、本当にスペシャルだった。あの瞬間のことは、ずっと忘れないだろ」(ヒンドレー)
3週間前、ハンガリーのブタペストから、176選手で走り出したジロ一行が、149人になってヴェローナにたどり着いた。旅の終わりを祝うパレードランがない代わりに、17.4kmに渡って、誰もが沿道やアリーナの観客を独り占めにした。
この日1番にコース上へと走り出す栄誉を手にしたたロジャー・クルーゲは、無事に、総合149位でジロを終えた。2020年ツールでは「ランテルヌ・ルージュ=赤ランタン」と呼ばれる総合最下位となり、今回は「マリア・ネーラ=黒ジャージ」。同じく非公式ではあるものの、当人たちの間では熾烈なデヘント競争では、総合74位トーマスが総合105位アイメを蹴散らした。
雨が降ったせいで、いまだところどころ濡れた路面で、46.607km/hの最高時速を記録したのはソブレロだった。昨6月のイタリア選手権個人タイムトライアルで、世界王者フィリッポ・ガンナを蹴散らしナショナルチャンピオンに君臨した25歳は、上り基調の前半9.5kmを最速の39.614km/hで駆け上がり、下り基調の後半7.7kmをやはり最速59.102km/hでかっ飛ばした。
「上りのてっぺんをフィニッシュラインに見立てて、そこに向けて全力を尽くしたんだ。あとの下りは、残った体力でこなさなきゃならなかった」(ソブレロ)
フィニッシュラインで22分24秒54のタイムを叩き出し、暫定首位に躍り出た。1時間半後に最終走者ヒンドレーが走り終えても、変わらずトップのままだった。3週間前のブタペスト個人TTはチームメイトのサイモン・イェーツから13秒差の4位に甘んじたが、今度こそ人生初めてのグランツール区間勝利をもぎ取った。
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