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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第19ステージ】2勝目のボウマンがオランダ人初のジロ山岳賞獲得「山岳ジャージを着て勝利をつかむことができたなんて、最高だよね」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「僕のプロ初勝利は、ドーフィネで、山岳ジャージ姿で手にしたもの。またこうして、山岳ジャージを着て勝利をつかむことができたなんて、最高だよね。だからチームのプレス担当に、フィニッシュの写真をもらえるようメッセージを入れたんだ」(ボウマン)
今ジロで複数ステージを制したのは、デマール3勝、サイモン・イェーツ2勝に続く3人目。また最終山岳ステージを待たずに山岳賞首位を確定させせたボウマンだが、オランダ人がジロの山岳賞を持ち帰るのは、史上初めての快挙となる。
ちなみに「ポイント賞」は前日デマールで確定し、「中間ポイント賞」も今区間晴れてフィリッポ・タリアーニに決まった。いまだ逆転の可能性を秘めているのはフーガ賞と、新人賞マリア・ビアンカと……もちろんマリア・ローザ。
マリア・ローザを守ったカラパス
メイン集団はさすがにスプリントを待たなかった。しかも残り2kmを示すアーチの手前で、総合首位カラパスが真っ先に攻撃に転じた。ただ総合2位ヒンドレーが一瞬たりとも離されなかったし、総合3位ミケル・ランダも素早く穴を埋めた。ランダも自らアタックを打ったし、ヒンドレーも加速を切った。しかし、大した差をつけられないと見るや……逃げ集団と同じく、やはり互いに睨み合いに入ってしまったことも。
逃げを驚かせた最終コーナーが、3人の走りに影響を与えることはなかった。総合トップ3は、区間勝者から3分56秒遅れの同タイムで、揃って1日を終えた。カラパスとヒンドレーが3秒差で並ぶ構図は4日前から変わらず、ランダは1分05秒差を1秒も縮めることはできなかった。
2022年ジロの、山の戦いも、残すはわずか1日。今大会の最高標高地点「チーマコッピ」2239mーー「僕のホームだ」と、標高2800m以上の地で生まれたカラパスは笑ったーーが待ち受ける、今大会最難関ステージが、今大会最後の「直接対決」の舞台となる。
「明日のシナリオは完全に異なる。ラスト5kmがおそらく決定的となるし、僕らが一緒にフィニッシュへたどり着くことはないはずだ」(カラパス)
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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