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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第18ステージ】《同盟》で掴んだ勝利!ドリース・デボントが人生初の区間制覇「今日の逃げの仲間たちを、心から尊敬する」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかスタートから25kmほどの4級峠で、タイム差は2分15秒にまで広がったものの、その後は1分半程度で差を保ち続けた。元世界チャンピオンのルイ・コスタが珍しく集団制御に乗り出したときなどは、あっという間に差が1分を切ってしまい……慌てて脚を緩める場面さえ見られた。
「たったの4人だから、制御は簡単に違いないとスプリンターチームは考えたはずなんだ。だから、僕らは、あえてゆっくりと走った。タイム差が1分差を切っても、絶対に彼らはすぐには吸収には動かないはずだ、と。僕らの読みは正しかった。おかげで前半の僕らは体力をほとんど使わずに済んだ」(デボント)
スプリンターたちだって十分に警戒していたはずだし、体力も無駄遣いしなかった。残り約80km地点の第1中間ポイントでは、スプリントさえ争わなかった。大会5日目以降マリア・チクラミーノを守り続けているデマールと、ここまで連日中間ポイント収集に励んできたカヴェンディッシュは、争わず笑い合いながら揃ってラインを越えた。
ところが残り70kmでは1分半だったタイム差が、60kmでは2分半に広がっていた。そしてこのタイム差を保ったまま、前の4選手は、この日2つ目の4級峠へと突入する。そう、全長1.1km、平均勾配12.3%の「ムーロ=壁」だ!
4人の逃げ
登りに入ると、デボントが先頭でテンポを刻んだ。決して逃げの仲間が脱落してしまわぬよう、常に背後に目を配ることも忘れなかった。後方のメイン集団では、スプリンターチームのクライマーたちが、やはり控えめに先頭を引いた。そして残り54km、壁をよじ登り終えた時点でも、差はいまだ2分半あった。
「作戦は、あの激坂のてっぺんで、2〜3分差を保っていること。そして上り終えたら、あとはフィニッシュラインまでなにも考えずにひたすら全力疾走すること。4人で話し合ってそう決めたんだ」(デボント)
そして一気に戦いは加速した。前の4人はいわゆるチームタイムトライアル体制へと切り替えた。「エドアルドには心から感謝している」とデボントが語ったように、ムーロでは最後尾でしがみついたアッフィニが、ひときわ長い先頭牽引を引き受けた。もちろん「誰も1度たりとも先頭交代を拒否しなかった」との言葉通り、それぞれの力量に合わせて、4人全員が持てる力をすべて尽くした。
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