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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第16ステージ】ジロの名峰モルティローロを制圧したヤン・ヒルトがグランツール区間初勝利「僕は最高に嬉しくて、キャリアを終えたくなんかない!」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかこんな4人のバランスがようやく崩れたのは、スタートから202km走った末。フィニッシュラインへ向けスプリントを切り、総合首位カラパスと2位ヒンドレーが最後まで競り合い、そして後者が残された3位4秒のボーナスタイムをつかみ取った。
つまり総合順位こそ2位のままながら、ヒンドレーはカラパスとの総合差を7秒→3秒に縮めた。ちなみにカラパスは今大会ここまでボーナスタイムを14秒収集しており、対するヒンドレーは21秒。2020年ブエルタにボーナスタイムのシステムがなければ、8秒リードで総合優勝していたはずのカラパスにとって、これ以上の損失は絶対に避けたい。
ケムナおよびランダと激しく競り合うカラパス
「心配はしていない。まだ難しいステージは残っているし、たくさんの山が待ち構えている。もちろん毎日のボーナスタイムが最終的な総合優勝を左右することも分かっている。だから今後のステージは、できる限り上手くやりこなしたい」(カラパス)
ランダはカラパス&ヒンドレーと同タイムでフィニッシュ。アルメイダは14秒後に区間を走り終えた。アルメイダの総合3位は変わらず、ただタイムは44秒差に後退した。ま位ランダは総合首位との差は59秒差で変わりはないものの、表彰台には15秒差に近づいた。
またモルティローロでの攻撃は成功させられなかったが、最終盤までアルメイダと追走を続けたニバリは総合8位から5位へと浮上。ポッツォヴィーヴォは6位へと一歩後退した。ここまで2度の逃げを成功させ、総合10位で今ステージを走り出したマルタンは、この日は逃げを失敗させ、総合16位へと大きく陥落した。
逆にヒルトは総合9位に浮上し、つまりは人生初めてのグランツール区間勝利を手に入れると共に、人生初めてのグランツール総合ひと桁台入りを成し遂げた!
マリア・チクラミーノのアルノー・デマールは、40人の大きな集団内で、無事にフィニッシュラインへとたどり着いた。序盤に逃げたカヴェンディッシュも6時間半以上もペダルを回し続けた果てに、53分11秒遅れの最終グルペットで、このとてつもない難関山岳ステージを走り終えている。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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