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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第14ステージ】痛みと失望を乗り越え、総合の夢潰えたサイモン・イェーツがジロ通算6勝目!「ここ数日はリタイアしようかと悩んできた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「周回コースだったおかげで、ボトルもたくさん受け取ることが出来た。おそらく10〜12本くらいボトルの水をかぶって、身体をクールダウンしたんだ」(イェーツ)
しかもイェーツは、本来ならば自分が繰り広げているはずの総合争いを、巧みに利用してみせた。フィニッシュ手前4.5kmに設置された第2中間ポイント(=上位3人にボーナスポイント)へ向けて、総合8秒差のカラパスとヒンドレーが睨み合う隙を突いて加速を切ると、そのまま他の3人を完全に置き去りにしてしまった!
両手を上げてフィニッシュするサイモン・イェーツ
「ここ数日はリタイアしようかと悩んできた。膝のせいでもあるけど、精神的な面が大きかった。だって今大会には総合優勝をするために乗り込んできたのに、僕はただ..何もできずぬまま、後方に沈んでしまった。だから今日の勝利は僕の気持ちを大きく引き上げてくれた」(イェーツ)
2018年ジロ閉幕2日前に失ったマリア・ローザは、いまだに取り戻せていない。それでもサイモン・イェーツは、第2ステージに続く今大会2つ目の区間勝利をつかみ取った。またジロでは6勝目、グランツールではステージ通算10勝目に達した。
イェーツから遅れること15秒後、ヒンドレー、カラパス、ニバリの3人がフィニッシュラインへと走り込んだ。中間では2位通過、フィニッシュでは3位通過のカラパスが、2022年大会3人目のマリア・ローザ着用者となった。そして中間ボーナス1秒、フィニシュボーナス6秒を収集したヒンドレーが、カラパスから7秒差の総合2位に浮上した。
偶然か必然か、カラパスは2019年ジロでも、やはり第14ステージで総合首位の座に駆け上がっている。当時も総合2位との差は7秒で、そのまま最終日ヴェローナまで、2度とばら色の衣を脱ぐことはなかった。今年のフィニッシュも、やはりヴェローナの円形闘技場であることを付け加えておく。
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォは28秒差で、アルメイダは39秒差で被害を最小限に食い止めた。最終峠の麓まで、先頭集団に2人残しながらも、ライバルから遅れを取ったバーレーン・ヴィクトリアスのミケル・ランダとペリョ・ビルバオは、揃って51秒差で1日を終えた。
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