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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第14ステージ】痛みと失望を乗り越え、総合の夢潰えたサイモン・イェーツがジロ通算6勝目!「ここ数日はリタイアしようかと悩んできた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか残り約29kmで後方に取り残されたロペスは、フィニッシュまで孤独な奮闘を続けた。区間首位から4分25秒遅れで、ピンク色で過ごす最後のステージを締めくくった。総合では4分04秒差の9位に後退した。
「すごくハッピーだよ。だって僕は100%を尽くしたのだから。10日間もマリア・ローザで過ごせたのだから。本当に今でも信じられないし、幸せなんだ。フィニッシュではスタッフやファンから暖かく迎え入れてもらえて、少し涙が出ちゃった。この10日間は、僕の人生の中で、最高の日々だった」(ロペス)
カラパスのアタックで、他の総合ライバルたちも、一旦はまとめて振り払われた。残り15km、ステージ最後の2級マッダレーナ山へと上り始める頃には、カラパスとその他8人との差は、25秒にまで開いていた。
「ボラの仕事を利用しようと考えたんだ。多くの選手が限界ギリギリの状態で走っていると感じた。良い動きだったと思ってるよ。だって最終的には、僕のアタックがきっかけで、多くの選手が総合タイムを失ったのだから」(カラパス)
ただしチーム全員が「ありえないほど驚異的な」仕事をしてくれたからこそ、ヒンドレーはただ黙ってカラパスを見送るわけには行かなかった。
「カラパスのアタックには少し驚いた。でも、まだ先は長かったから、最後の上りを待つことにした。とにかく辛抱強く待って、体力を温存し続けた。それにニバリが好調に見えたから、彼が絶対に何かトライするだろうと思っていたんだ」(ヒンドレー)
マッダレーナの麓で、読み通りニバリが動いた。最大勾配20%にも達する桁外れの激坂で、「メッシーナの鮫」が加速。この瞬間を待っていたかのように、ヒンドレーも加速した。とてつもない観客で埋め尽くされた山道で、凄まじい追走劇を披露し、両者はまんまとカラパスをとらえた。
ステージ序盤に3度逃げを試みた後は、集団内で静かに潜んでいたイェーツも、マイペースで追いついてきた。大会4日目の落車で右膝を痛め、9日目には痛みでダンシングポジションが取れなかった。「いまだ100%ではない」ながらも、この日はスムーズにサドルから腰を上げることが出来た。ブロックハウスでは「ひどい蒸し暑さ」にも苦しめられた..この第14ステージは「気持ちいい暑さ」だったのだと言う。
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