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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第9ステージ】《元ジロ総合2位》のジャイ・ヒンドレーがブロックハウスで復活勝利!「再びこうして勝利を取れるレベルに戻って来られたことが、本当に嬉しい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかステージも残り100kmを切ったころ、メインプロトンの主導権は、マリア・ローザ擁するトレック・セガフレードからイネオス・グレナディアーズへと移行した。最大6分まで開いたタイム差は、急速に縮まっていく。
逃げ切りのわずかな可能性にかけ、残り61km、ナンス・ペテルスがアタックに転じた。ナトナエル・テスファツィオンもすかさず後に続いた。ちなみに逃げへの合流の際、ジョセフロイド・ドンブロウスキーの後輪にひたすら隠れていたテスファツィオンは、この時も、ペテルスの背後にくっついているだけ。
ディエゴ・ローザ
一方のローザは、この日4つ目の山岳=1級峠で、作業の仕上げに取り掛かった。残り53km、9%超の急勾配を利用して再加速。50秒先を走っていたペテルス等をあっさりとらえる。やはりテスファツィオンだけは、影のようにぴたりとついてきたけれど……構わずローザは黙々と先を急いだ。エリトリアの星が山頂でポイントを横取りするような不義理も犯さなかった。
こうして1級峠も満点を回収したローザは、第6ステージの3ポイントも含めて計83ポイントに伸ばし、ステージ終了後には念願の青ジャージを身にまとった。だからだろうか。下りに入ると、テスファツィオンの先行を見逃した。ようやく自らの力で走り始めた22歳は……しかし残り36km、ダウンヒル中にカーブを曲がりきれず草むらへ転落してしまう。幸いにも大きな事故にはならなかった。再び走り出し、最終的には33分15秒遅れで完走している。
またしても単独先頭になったローザや、下りの先で追いついたドンブロウスキーやペテルスは、その後もしばらくはあがき続けた。ただし全長13.6kmの最終峠に入る前に、1人ずつメイン集団へと回収されていった。
ブロックハウスの麓に、メイン集団は50人ほどでたどり着いた。ロマン・バルデはステージ中盤のメカトラで集団復帰に時間を費やし、ジョアン・アルメイダは後半に自転車交換を強いられた、ミケル・ランダにいたっては軽い落車でメカ調整を余儀なくされたが、みな先頭に残っていた。チームメートのためにボトル運びすらしたマリア・ローザのフアン・ロペスも、イネオスのアシストたちの猛テンポに、問題なく踏みとどまっていた。
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