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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第4ステージ】ケムナが人生2度目のグランツール区間勝利!人生初マリア・ローザのフアン・ロペス「まずはこの喜びを満喫したい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマリア・ローザに袖を通したロペス
「すごく幸せだ。どれくらいジャージを守れるのかは分からない。まずはこの喜びを満喫したいし、ただマリア・ローザで走る1km1kmを楽しみたい」(フアン・ロペス)
2人がフィニッシュした2分37秒後に、17人の有力者集団が山頂へとたどり着いた。主導権は最後までイネオスが握り続けた。急激な攻撃にこそ転じなかったものの、エトナの山道で厳しいテンポを強い、集団後方から弱者を次々と切り落としていった。
真っ先に脱落したのが2017年大会覇者トム・デュムランだった。山の中腹で脚が止まり、ライバルたちから約6分半タイムを失った。過去2回マリア・ローザに輝いてきた、地元シチリアっ子のヴィンチェンツォ・ニバリも2分15秒の損失を出した。なにより2人の所属チームは、この日、完全に総合争いから取り残された。デュムランと共にユンボ・ヴィスマの「ダブルエース」を務めるはずのトビアス・フォスもまた、ニバリと同タイムでフィニッシュ。一方でニバリが保護すべきアスタナカザクスタンのエース、ミゲルアンヘル・ロペスは左大腿四頭筋炎症で、ステージ序盤に大会を去っていった。
ユンボとアスタナを除けば、いわゆる総合表彰台候補たちは、ほぼ揃って走り終えた。しかもイネオスがカラパスを筆頭に2人、バーレーンが3人、ボーラ・ハンスグローエが3人(しかも前にはケムナが)、チームDSM2人、バイク・エクスチェンジ2人、モビスター2人……と、多くのエースが仲間を残しての余裕のフィニッシュ。1分42秒差の総合4位に後退したイェーツを筆頭に、6位ウィルコ・ケルデルマン(イェーツから13秒差)から19位ジュリオ・チッコーネ(同50秒)まで、互いの関係性に変化はなかった。
山に入った時点で脚を緩めたファンデルプールは、グルペットでゆっくりと1日を終えた。3日間まとったマリア・ローザを脱ぎ、チクラミーノに着替えた。ポイント賞ジャージは現時点では「目標ではない」そうだけれど、チーム内のエーススプリンター、ヤコブ・マレツコの途中リタイアで、ますます区間勝利を目指す機会は増えるのだろう。
山岳ジャージは、なにごともなければ、ケムナが少なくとも7日目のスタートまでは着続ける。また、ばら色に染まる24歳フアン・ペドロの代理として、22歳ファンセヴェナントが白い新人ジャージを着て走る予定だ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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