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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第4ステージ】ケムナが人生2度目のグランツール区間勝利!人生初マリア・ローザのフアン・ロペス「まずはこの喜びを満喫したい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか2020年ツールでは、共に逃げたリチャル・カラパスを蹴散らし、25kmもの独走で山頂フィニッシュをもぎ取ったケムナは、この日は残り2.7kmでまんまとフアン・ロペスをとらえた。
ところで、先頭で合流した2人は、軽く言葉を交わしている。ケムナ曰く「暗黙の了解」が取れた。なにしろ後方からは手強いタラマエが追いかけてくる。つまり区間を争うためには……協力こそが得策だった。
「短い会話だったけれど、2人で行こうと決めた。2人で行って、あとはどちらが強いのか見ていこう、と」(ケムナ)
その通り2人は、ギリギリまで共闘体制を崩さなかった。ただエトナ山頂が近づくに連れて、元チームタイムトライアル世界チャンピオンのケムナが刻むテンポは、どんどん強さを増していく。最後は後輪に潜むフアン・ロペスを、振り返ることすらなかった。残り250mのUターンカーブも、毅然と先頭でこなした。
ロペスとの一騎打ちを制したレナード・ケムナ
対するフアン・ロペスはここで痛恨のミスを犯す。コーナーを抜け出した瞬間にバランスを崩し、距離を開けられた。万事休す。勝負あり。
ケムナの力強いガッツポーズと、悔しがるフアン・ロペス。逃げ集団内では総合で上から4番目につけていたスペイン人は、走り終えた段階では、自分が成し遂げた快挙にまるで気がついていなかった。
「スプリントを争うつもりだったのに、落車しそうになって……すべてがおじゃんだ。フィニッシュ後に誰かから『君が新たなマリア・ローザ』だと声をかけられたけど、僕は信じなかった。10分くらいたってようやく、本当なのだと実感が湧いた」(フアン・ロペス)
つまりケムナが人生2度目のグランツール区間勝利を手に入れ、フアン・ロペスは人生初めてのピンクジャージに袖を通した。17歳でアルベルト・コンタドールの育成チームに合流し、2011年大会でのコンタドールのエトナ登坂勝利は「後にビデオで何度も見直し」たという24歳が、そのコンタドールの2015年ジロ総合制覇以来初めて、スペイン人としてジロ総合首位に立った。
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