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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第4ステージ】ケムナが人生2度目のグランツール区間勝利!人生初マリア・ローザのフアン・ロペス「まずはこの喜びを満喫したい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかおかげで早い段階で、前を行く14人は、逃げ切り勝利を意識し始めたに違いない。それでも残り30kmを切った直後に単独で仕掛けたオルダーニ以外は……誰もが1級エトナ山の、全長22kmの山道を待った。1分近いリードを奪われても、決して焦らなかった。
そして、上りが始まると、そこまでじっと我慢していた山岳強者たちが本格的に動き出す。2kmほど上り、勾配が7%ほどに上がったタイミングを突いて、フアン・ロペスが加速。昨ブエルタで念願の総合リーダージャージを着用したレイン・タラマエも動き、さらには第2中間ポイントでボーナスタイム2秒を収集したファンセヴェナントにシルヴァン・モニケ、ハイス・リームライゼ、ケムナも合流する。
6人の追走グループができた後も、フアン・ロペスはじっとなんかしていなかった。残り12km、勾配が9%台に上がると、もう一段階スピードを上げた。
「この山道のことは知らなかった。ただ監督から、無線で、最難関ゾーンで『トライしろ』と言われて、僕は飛び出した。オルダーニがそのまま行ってしまうのか、それとも追いつけるのか、僕にはまったく分からなかった。でもトライした。自信はあったし、自分に強さを感じていた」(フアン・ロペス)
5人を振り切ったフアン・ロペスは、残り9.5kmでオルダーニに追いつき、追い越した。さらに登坂の勢いは増し、つい先ほどまで共に追走を仕掛けていた仲間たちには、あっさり45秒差をつけた。
負けたかもしれない、とケムナは考えたという。しかし総合エースを3人擁するチームから与えられた、今大会2度目の「自由に動く権利」を、無駄にすることなどできなかった。残り8km、強烈な反撃を開始する。
「できるだけ長く大きめの集団に留まっていたかった。残り10kmの段階では『よし、行けるぞ』と思える自信がなかった。だって向かい風がきつかったし、それほど勾配も厳しくはなかったから。でもタイム差があまりに大きくなったことに気がついたし、もはや周りのライバルたちから得られるものもなかったから、自分で動く必要に迫られた。ひたすら全力で追いかけた。少なくとも残り1kmまでには、ロペスとの差を埋めなきゃならないと分かっていたから」(ケムナ)
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