【ツール・ド・フランス2007】第4ステージレースレポート

ヴィレールコトレからジョワニーまでの193kmで争われた第4ステージは、ここまでのステージとほぼ同じ展開に。ゴールまであとわずかで逃げグループを捕まえた集団が、ゴールスプリントで勝負を決した。フースホフト（クレディアグリコル）がハンター（バルロワールド）とフレイレ（ラボバンク）に競り勝ち、今大会初のステージ優勝を飾った。カンチェッラーラ（チームCSC）のマイヨ･ジョーヌは動かなかったが、ボーナスタイムを獲得したフースホフトが29秒差の総合2位に躍り出ている。

季節外れの涼しさの中、プロトンは午後1時前にヴィレールコトレを出発。スタートしてすぐ23.5km地点のカテゴリー4級はクチンスキー（リクイガス）がトップで通過した。そして約30km地点で逃げが生まれる。スプリック（ブイグテレコム）がアタックすると、フレチャ（ラボバンク）、ベルドゥーゴ（エウスカルテル）、シャヴァネル（コフィディス）、クネース（ミルラム）が続き、5人での長い逃げが始まった。プロトンではマイヨ･ジョーヌを持つチームCSCが中心となりペースをコントロール。差を4分以上には広げさせなかった。

62.5km地点、この日2つ目のカテゴリー4級を過ぎたところで、プロトン後方でディグレゴリオ（フランセーズデジュー）とザンディオ（ケースデパーニュ）が落車。ディグレゴリオは集団に復帰できたものの、ザンディオはリタイアを余儀なくされてしまった。

逃げとプロトンの差は徐々に縮まっていく。残り約35kmの中間スプリントポイントでは差は約90秒だったが、スプリンターを擁するチームが集団のペースを上げじわじわと詰め寄る。逃げグループもクネースのアタックなどでスピードを上げたが、残り10kmで差は26秒となっていた。結局残り7kmで集団に吸収され、長かった逃げを成功させることはできなかった。

プロトンはスプリント対決に突入。多くのチームが主導権を奪おうとし、さらにアタックも繰り返される混戦となった。チームメイトのディーン（クレディアグリコル）に引かれたフースホフトが、残り200mで一気にスパートをかけライバルたちを抑えて見事ステージ優勝を果たした。

明日の第5ステージは峠が8つも待ち受ける182.5kmのコース。ここまではスプリンターに軍配の上がっている今大会だが、そろそろ逃げが成功するのだろうか。

トル・フースホフト（クレディアグリコル）（チームCSC）
ステージ優勝

非常に速いスプリントだったね。僕はとにかくディーンの後ろについて行ったんだ。他のチームメイト、特にイノーとボネも良く働いてくれた。彼らが僕を前方に引っ張り上げてくれたんだ。ディーンは450m地点からものすごく力強く前を引いてくれたね。そして僕はラスト200mでスプリントを切った。すごくいい走りが出来たよ。

勝利にほっとしている。ここまであまりいいシーズンではなかったからね。クラシックに向けて調整してきたのに、ミラノ〜サンレモの前日に病気になってしまった。その後も苦しみ続けた。だからクラシックはあまりいい成績が出せなかった。でもジロに出て、それほど悪くないと思ったんだ。2位が2回。だから今日ステージ優勝できて、本当に気分がいいね。ようやく苦しみを乗り越えた感じ。今後は上手く行くといいね。

一昨日の落車には本当にがっかりした。だってボーネンやマキュアンに30ポイント近くも離されてしまったんだから。でもがっかりしたのは3時間くらいで、夕食後には失望するのはやめた。前だけを見よう、と決めたんだ。ツールに向けてしっかり練習してきたんだし、別の日に勝機がやってくるのを待とうと決めた。

スプリントに入るとき、他のライバルたちの動きを見たりはしなかった。ディーンのことを本当に信頼していたし、彼はいつでもいいポジションに導いてくれる。だから彼の後ろについていくだけでよかったんだ。その後、彼が脇によけて僕を発射させてくれた。だから彼の後ろにくっついていっただけ。今日は彼の動きを見て、最後の450mくらいで加速すると気がついたから、その通りに動いただけ。今日は本当に全てが上手くいったね。