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サイクル ロードレース コラム 2009年7月6日

【ツール・ド・フランス2009】第1ステージレースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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世界で2番目に小さな国であるモナコ公国は、世界中からやってきた大勢の自転車ファンで埋め尽くされた。モナコの国土三方を取り囲むフランスのファンはもちろん、イタリア語もあちこちで耳にした。なにしろイタリア国境からは10kmも離れていないのだから当然だ。英語を話すサポーターも多かった。ランス・アームストロング(アスタナ)の復帰を祝うアメリカンたちはコース上にあふれ、島の英雄マーク・カベンディッシュ(チーム コロンビア・ハイロード)を追いかけてマン島から駆けつけたご夫婦や、今ツール唯一のカナダ人ライダー・ヘシェダル(ガーミン・スリップストリーム)の活躍を願うカナダファンとも出会った。

もちろん「歴史的快挙」と地元フランスも注目する2人の日本人選手——新城幸也(Bbox ブイグテレコム)、別府史之(スキル・シマノ)——の走りを見守るために、たくさんの日本人が蒸し暑いモナコへとやってきた。13年ぶりの日本人ツール出場を追いかけようと、日本メディアの数は約1.5倍増。沿道には日の丸を背負った熱狂的なファンも姿を現し、我らが日本人選手に大きな声援を送った!

「色々な人の思いを背負って、ボクはツールを走るんです」

それは気負いなどではなく、素晴らしい喜びなのだ、とスタート前夜の別府はリラックスした笑顔で語った。その別府は、参加選手中180選手中41番スタート。また新城は106番目に出走台へと登った。

いつもの最終出走者の場所を捨てて、18番というとんでもない早いスタートを切ったのはアームストロングだった。4年ぶりの大会復帰の結果は、首位から40 秒遅れのステージ10位。ゴール後の約15分間は「暫定」マイヨ・ジョーヌにさえなった!ただし直前のツール・ド・スイスで総合2位と大活躍した14歳年下の若きトニー・マルティン(チーム コロンビア・ハイ ロード)に抜かれ、37歳でのマイヨ・ジョーヌ復帰は果たせなかったのだが。

「個人TTで勝ってマイヨ・ジョーヌを取る」こうツール開幕前から宣言していたファビアン・カンチェッラーラが、その言葉通りに全てを圧倒して2009年ツール初の区間勝利とマイヨ・ジョーヌを手に入れた。スタート直後から厳しい上りに突入する今回のTTコースでは、「戦術など余計なことは考えずに、スタート直後から全力で走るだけ」。五輪TTチャンピオンはその通りに序盤からパワー全開で走ると、ゴールでは2位アルベルト・コンタドールを18秒突き放した。ちなみにカンチェッラーラが初日個人TTを制したのは、2004年リエージュと2007年ロンドンに続く3度目。2004年は2日間、2007年は6ステージに渡ってマイヨ・ジョーヌを守ってきた。果たして2009年のツールでは、何日間カンチェッラーラの黄色ジャージ姿が見られるだろうか。

最終日パリでそのマイヨ・ジョーヌを着ていたいと夢を抱く選手の中で、トップに立ったのは2007年ツール勝者のアルベルト・コンタドール(アスタナ)。コンタドールはこの日は黄色いジャージではなく、赤玉ジャージ(山岳賞)に袖を通した。またアスタナの強力なチームメイトたちは揃って上位入賞。4 位アンドレアス・クレーデン、6位リーヴァイ・ライプハイマー、10位アームストロング……。アスタナからは誰が表彰台に登ってもおかしくないのだと、改めて実証させられることになる。またツール2位カデル・エヴァンス(サイレンス・ロット)はカンチェッラーラから23秒遅れ、コンタドールから5秒遅れでステージ終了。参加180選手のオオトリを飾った昨王者のカルロス・サストレ(サーヴェロ テストチーム)は、1分6秒遅れの21位で終了している。

日本の新城はトップから2分7秒遅れの127位、別府は2分52秒遅れの174位(区間・総合共)。これがツール初参加の2選手が手に入れた、最初のツール公式記録である。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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