人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2021年10月12日

【Cycle*2021 パリ〜トゥール:レビュー】チームの献身と自身の努力を今度こそ勝利へと結びつけたアルノー・デマール「すべてが報われた。勝利に酔いしれてる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

残り17km、この日6番目の上りで、マドゥワスが何度目かの攻撃に転じた。ただボブ・ユンゲルスとヤスパー・ストゥイヴェン、ロジャー・アドリア、マティス・ルーヴェル、そしてグルパマのエーススプリンター、デマールだけが、共に戦いを続けることを許された。

マドゥワスとデマールが滑り込んだ追走集団では、当然のようにグルパマが仕事に精を出した。アドリアが単独で追走に飛び出すと、2人は回収に力を尽くした。合流後に走り込んだ最後の未舗装路では、マドゥワスが持てる力をすべて尽くした。フィニッシュまで12kmを切ると、ライバルたちが早くもお見合いを始めてしまったが……デマールはためらわず前を引いた。

ぶどう畑を土埃をあげながら走る選手たち

ぶどう畑を土埃をあげながら走る選手たち

そして残り10.5km。この日最後の坂道で、デマールが鉄槌を振り下ろした。2016年ミラノ〜サンレモ覇者の猛烈なスピードアップ。平坦巧者が見せた坂道での爆発的な加速に、ついていけたのは、ただ2021年春の同大会覇者ストゥイヴェンひとりだけ。フリソンがパンクし、2人に数を減らした先行組を、いよいよ本気で追いかけ始めた。

2対2の追いかけっこ。残り10kmの時点で差はわずか12秒。しかも後方の2人は超一流。だからこそ、誰もが、それほど苦労せずに前を捕らえるだろうと考えた。しかし市街地で繰り広げられた猛チェイスは、想像以上に困難を極めた。残り5kmで10秒差。残り2.5kmでも……相変わらず10秒差。

「フィニッシュが近づくに連れて、本当に前に追いつけるのかどうか不安になった。ほんの目の前に2人は見えているのに、ずいぶんと長い間、10秒前後で延々と足踏みを続けた。前の2人はどうか早く顔を見合わせてくれ……と願ったさ」(デマール)

ラスト1kmを示すフラムルージュを5秒差で抜けた時点でも、ボナムールとデウルフの協力体制は崩れていなかった。しかし左にカーブを曲がり、かつては2600mの長さを誇ったグラモン大通りに滑り込むと……デマールの望んでいたように事が進んだ。残り600m、2人はついに顔を見合わせる。脚が止まった。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ