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【Cycle*2021 イル・ロンバルディア:レビュー】怪物・ポガチャル、メルクス以来49年ぶり大記録でロンバルディア制覇「僕はここでこうして勝利を手に入れた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかここでニバリがアタックに転じる。ちなみに母国のモニュメントには現役最多14度目の出場ながら、ツール制覇の2014年に限っては、ロンバルディア当日にカザフスタンのアルマティ一周に出場していたという(アスタナ所属だったし、来季は再び古巣へ戻る)。
それでも過去2度、同大会を勝ち取り、2018年にはミラノ〜サンレモさえもコレクションに加えてしまった36歳は、ほんの1週間前に地元シチリアで2年ぶりの勝利を上げたばかり。つまり獰猛な攻撃力を取り戻した「メッシーナの鮫」の、渾身の加速に……初出場ポガチャルが反応した!パヴェル・シヴァコフとバルデも後に続いた。
しかもポガチャルは、息つく間もなく、今度は自らがアタックを打った。初参加23歳は「ノープラン」だったが、山の麓でチームメートたちには「調子がよかったら動くよ」と告げていたという。残り35.5km、本能の声に従った。
「おそらく誰かが一緒に来るだろうと考えていた。でも、きっと、ひどくハードなレースだったから、みんな最終盤に力を残すために動かなかったのだろう。だから僕はひとりで行った」(ポガチャル)
アルカンシェルのアラフィリップ
遠ざかっていくツール総合覇者の背後では、ドゥクーニンクが追走を引き受けた。2人目のリーダー、ジョアン・アルメイダさえも脱落したが、残るアラフィリップのために、ファウスト・マスナダが力を尽くした。マスナダは牽引するだけでなく、むしろ自ら飛び出しさえした。
ただ前から戻ってきたシヴァコフの援護で、イェーツがついに加速を切ったことで、マスナダは一旦は回収された。もちろん回収されると同時に、再びアシストの職務に専念した。アラフィリップ、イェーツ、ログリッチ、バルベルデ、バルデ、ウッズ、ダヴィ・ゴデュという8人に絞り込まれた集団の先頭に立ち、黙々と引き続けた。
少し先で今ツール総合2位ヨナス・ヴィンゲゴーが合流し、つまりユンボも2人になった後でさえ、一切の責任はウルフパックが負った。ポガチャルは一気に30秒ほど開いたが、マスナダの大いなる奮闘で、しばらくタイム差は動かなかった。
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