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【Cycle*2021 ミラノ~トリノ:レビュー】イル・ロンバルディア制覇に向けて最高の仕上がりを披露したログリッチ「最後の1戦は、最大の1戦だ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかつまり大量のチームが罠にはまった。イネオス・グレナディアーズやトレック・セガフレード、アルケア・サムシックは慌てて追走に乗り出した。しかしタイム差は思うように縮まらない。20kmほど先でアスタナ・プレミアテックも参戦し、さらにはコフィディスやクベカ・ネクストハッシュ、AG2Rシトロエンもスピードアップに加わった。
しかしドゥクーニンク隊列はますますペダルを踏む脚に力を込め、距離は相変わらず開いたまま。残り24km、スペルガ大聖堂への1度目の上りが始まる時点でも、いまだ後続は23秒の遅れを引きずっていた。
全長4.3kmの坂道で、数人のエースたちは、凄まじい努力の果てに先頭集団へのブリッジを成功させる。2kmほどの登坂でアダム・イェーツが真っ先に追いつき、ナイロ・キンタナも後に続いた。マイケル・ストーラー、パヴェル・シヴァコフ、ダヴィド・ゴデュも合流。さらにはディエゴ・ウリッシやバウケ・モレマ、アレクサンドル・ウラソフ等々も……。
追い付いてきたライバルたちに、ウルフパックは息つく暇を与えなかった。ファウスト・マスナダは上りで激しい速度を強いた。マウリ・ファンセヴェナントは頂上間際で単独アタックをかますと、続く下りを利用して集団を大いに翻弄した。
いまだ3人を残すUAEが、仕事を請け負った。追い付いてきたウリッシが平地で力を尽くし、約25秒差で2度目のスペルガ登坂に突入すると、ラファウ・マイカがクライマーの脚を見せつけた。
アルカンシェルをお披露目したアラフィリップ
その後輪にぴたりと張り付き、牽制役を務めたのがアラフィリップだ。世界選手権から10日ぶりの実戦で、レース半ばで自分には勝てる脚がないと判断。同僚たちに「今日はジョアン(アルメイダ)で行こう」と告げていたのだとか。
そんなマイカとアラフィリップの背後に、小さな空間が出来上がる。フィニッシュまで残り4.5km。イエーツが穴を埋めに走った。
そして、そこからのイェーツは、ほぼ単独で、ひたすら先頭でハイペースを刻んだ。ポガチャル、アルメイダ、ログリッチ、ウッズ、バルベルデという豪華ライバル勢がついてきたが、構わず前を突き進んだ。残り4kmでファンセヴェナントを追い抜いた。残り3.2kmでは、ウッズとバルベルデを後方へと送り返した。
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