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【Cycle*2021 パリ~ルーベ:プレビュー】待ちに待った石畳の帰還!ジルベールの栄光から2年半、次は誰が石畳トロフィーを空高く掲げるか。
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかフィリップ・ジルベール
愛しくて、懐かしくて、そして恐ろしい。そんな石畳の道がついに帰ってくる。2019年4月14日に、北フランスの自転車競技場にて、フィリップ・ジルベールが栄光を手にしてから2年半。パリ〜ルーベの伝統が、再び紡がれる。
それにしても長かった。2つの春が過ぎた。新型コロナウイルス禍で一時中断された2020年シーズンは、5大モニュメントのうち、ルーベだけが行われなかった。この4月もまた、国境を越えベルギーから大量の自転車ファンが流れ込む事態を恐れた地方長官が、開催の許可を下ろさなかった。
幸いにも状況は好転した。人類はコロナとの共生を覚え、自転車レースは以前の姿を取り戻しつつある。ほんの1週間前に、フランドルの沿道で、100万人のファンが世界一決定戦を見守ったように。おかげで我々は、両手を広げて、ルーベの帰還を祝うことができるのだ!
祝典はひときわ華やかに。1896年に創設され、今年で118回目を迎える「クラシックの女王」に、初めて女子部門が組み込まれた。男子がパリの北80kmほどのコンピエーニュでスタートを切り、257.7kmの長距離を走るのだとしたら、女子はドゥナン発の115.6kmで争われる。また男子の行く手には全30箇所・全長55kmの石畳セクターが待ち受けており、終盤の17セクターを女子は走る。さらに同日の午前中には、やはり同じ17セクターを利用して、男子ジュニア版「北の地獄」さえ行われる。
ただ秋の地獄は、春とは一味違う。復活祭前後の大地はいまだ荒涼としているが、朝夕に露の降り始めるこの時期は、いまだ緑があちこちに残る。たとえば最初の大きなセレクションが行われる第19セクター(12番目)、伝統のトゥルエ・ダランベール。鬱蒼とした木々の間を貫く2300mの直線は、普段から自動車の通行が禁止されているせいか、大会数日前の映像を見る限り草ぼうぼうだ。
名産のビーツを掘り起こす収穫期だけに、泥だらけのトラクターが日々、パヴェの農道を行き来する。やはり伝統的な勝負地として知られる全長3000mモン・アン・パヴェール(第11セクター・20番目)や、直角コーナーを含む2100mのカルフール・ド・ラルヴル(第4セクター・27番目)は、すっかり土に覆われているに違いない。ご存知の通り「落ち葉のクラシック」の時期でもあり、あちこちに枯れ葉が積み重なっていることもあり得るわけで……。
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