人気ランキング
-
-
-
-
サイクル ロードレース コラム
まさに完全無欠。ワウト・ファンアールト、強さの根源「まだまだ僕に出来ないことはたくさんある」| ツール・ド・フランス 2022
-
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
質問者さんによると、日本の自転車界ではハイエンドじゃないロードバイクや、速さを追求しない乗り方が攻撃されるとのことですが、これは高校を辞めた僕が自転車留学をしたフランスではあまり見ない光景でした。あちこちに書いてきたことですが、当時のフランスのトップアマチュアはシマノの「105」で組んだロードバイクに乗っていたりしました。お金をかけている人でもせいぜい「アルテグラ」。最高峰のデュラエースを装着した自転車に乗っているのなんてプロくらいでしたね。
念のため補足しますが、高い機材がダメというわけじゃ全然ないですよ。速くない人がデュラエースの自転車に乗るのが恥ずかしいということでもありません。誰が何をどう使おうが個人の自由です。ただ、当時のフランスの速い人たちは105やアルテグラのバイクに乗って、とても美しいフォームで走り抜けていたということです。そして、むしろそれが最高にカッコよかったのです。
もう一つ言うと、フランスに限らず欧州に共通して言えるのは、速い人ほど安全にも気を使っていることです。レースばかり見ていると勘違いしがちですが、向こうのプロは、勝負がかかっていない雨のコーナーなどはそろりそろりと回ります。レースで自分勝手な危険な走りをすると怒鳴られたりもします。
翻って日本のホビーレースを見ると、どうでしょう。あきらかに危険なコーナーに突っ込んでいくあの感じは、日本特有のものだと思います。「どういう状況で落車するか」「落車したらどうなるか」を想像できないのも、結局、文化として未成熟だからかもしれません。
話が逸れたようですが、ケガのリスクがあることは女性を遠ざけるでしょうし、未成熟さの表れという点では機材マウンティングと同じですよね。
つまり、僕が言いたいのはこういうことです。成熟した格好いいサイクリストは、安全に走りますし、他人の楽しみ方に口を出したりはしません。高級な機材は素晴らしいですけれど、エントリークラスでも一向にかまわない。速いのはスゴイですが、遅くても全然OK。むしろ遅い方が安全です。成熟は寛容さにつながるんです。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!