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【Cycle*2021 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース:プレビュー】記念すべき100年目の世界一決定戦!最多13回目出場の新城幸也「どう考えても厳しくなるコース」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかコーナーのたびに前方のチームがちょっと踏んで、後ろはアコーディオンみたい伸び縮みして……という展開になるでしょう。後方にいると地味に脚を使う羽目になります。さらに下りながら曲がったり、と『時限爆弾』的なパートもありますし、そもそもベルギーの道路の作り自体が広くなったり狭くなったり中央分離帯があったりですから。危険な箇所が多いんです」(新城)
24日(金)に行われた男子ジュニアと男子U23では、落車の多いナーバスなレースとなった。いずれも最終盤のアタックで独走逃げ切りが決まり、その背後ではジュニアは3位争いが、U23では2位争いが、いずれも30人程度のスプリントで決した。例年、男子エリートは、下部カテゴリーの反省と改善を経て全く違う展開になることが多いのだが、それでも同じようなスプリントに持ち込まれる可能性はある。
「最終周回に100人の大集団で突入することはないはずですが、30〜40人のスプリントになる可能性はあるコースです。近頃は厳しいコースでも前に残れちゃうような、打たれ強いスプリンターばかりですし(笑)」(新城)
もちろんアラフィリップは集団スプリントフィニッシュを避けたいし、コルブレッリは「ファンアールトのいない集団スプリント」に持ち込みたい。またアタックして良し、スプリントして良しのファンアールトは、要注意人物として宿敵マチュー・ファンアールト、トマ・ピドコック、マテイ・モホリッチ、フランス・デンマーク・イタリアの複数選手に加えて、ピュアスプリンター、カレブ・ユアンの名を挙げる。
ちなみに男子ジュニアと男子U23の成績から、ファンアールトが受けるべきインスピレーションがあるとしたら、それは2位の悔しさが世界制覇につながっていること。ジュニア世界王者のノルウェー人ペル・ストラント・ハーゲンもU23アルカンシェルのイタリア人フィリッポ・バロンチーニも、2週間前は欧州選手権ロードレースで2位だった。すると1年目、2カ月前、1週間前の2位が……七色に輝く1位につながっているだろうか。
そんなファンアールトがもしも優勝した場合、2012年フィリップ・ジルベール以来9年ぶりのベルギー人世界王者が誕生する。また開催国の選手が大会を制するのは、2008年イタリア・ヴァレーゼ大会のアレッサンドロ・バッラン以来13年ぶりとなる。フランドルの期待は、いまだかつてないほど高まっている。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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