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【Cycle*2021 UCI世界選手権大会 男子エリート 個人TT:プレビュー】世界最速を決める戦い。43.3kmの全力疾走の先に、虹色の栄光が待っている。
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかこの2人と共に世界最速の称号を奪い合うのは、間違いなく、開催国ベルギーの期待と責任を負うレムコ・エヴェネプールとワウト・ファンアールトだ。それぞれ世界選TTで銀メダルを持ち帰ったことのある2人は、どこの誰よりも全開で、母国の大会準備を終えた。
年齢的に見ればいまだアンダー23カテゴリー3年目のエヴェネプールは、東京から戻って間もなく8月中旬にステージレース総合1勝(+区間2勝)、8月末にワンデー2勝、直前の欧州選手権ではTT3位&ロード2位のダブル表彰台と、疲れ知らずの神童街道まっしぐら。史上最年少個人タイムトライアル世界王者となる可能性は、十分にある。
一方のファンアールトは五輪をロード銀メダル&TT6位で終えた後、約1ヶ月の休息を経て、ツアー・オブ・ブリテンで8区間中4区間勝利+総合優勝と大暴れ。昨秋の世界選TT&ロードレースのダブル2位をさらに上回る、ダブルアルカンシェルなるか。
残念ながら東京五輪個人TTメダリスト3人は不在。金プリモシュ・ログリッチは、ブエルタで2つのタイムトライアルを制しつつ総合優勝を果たしたが、世界選はロードレースだけに集中する。代わりにスロベニアからはツール総合2連覇中タデイ・ポガチャルが、生まれて初めて世界選個人TTに参戦。2020年ツール最終日前夜の個人タイムトライアルでの「逆転劇」はもちろん、今ツール5日目には平地TTで衝撃的な強さを発揮した22歳の、さらなる進化が見られるかもしれない。
長い迷いの時を抜け、東京で復活の銀メダルを手にした元TT世界王者トム・デュムランは、9月上旬のトレーニング中に交通事故。ひどく残念なニュースだが、オランダのベテラン、TTスペシャリストのヨス・ファンエムデンが奮闘してくれるはず。なにより女子五輪TT金ファンフルテン&銅ファンデルブレッヘンと共に、男女ミックスリレー2連覇が期待される。
また銅メダリストにして、世界選個人TT2回制覇のローハン・デニスも、どうやら今大会には乗り込まない。1年後の2022年に、2010年以来史上2度目となる世界選手権を主催するオーストラリアだが、フランドルでの男子エリートチームはロードレースだけに専念するようだ。
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