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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第18ステージ】激坂スペシャリストのミゲルアンヘル・ロペスがガモニテイルを制圧!「この勝利は僕らにとって大きな意味を持つ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか濃霧に紛れたロペスは、姿の見えない追撃を14秒差で交わし切った。アスタナ所属時代にグランツール区間3勝、新人賞3回、総合表彰台2回、ブエルタ総合敢闘賞1回、マイヨ・ロホ着用3日間と輝かしい成績を残してきた27歳は、今季合流したモビスターに、待ち望まれた区間1勝をもたらした。3人が戦いを去り、残る5人で奮闘し続けた地元スペインのチームにとっては、最高の成果だった。
ミゲルアンヘル・ロペスがラスト3.9kmを駆け上がり4年ぶりのステージ優勝
「チームメートの仕事に大いに感謝してる。今大会に残る誰もが、リタイア選手の穴を埋めるために、たくさんの仕事をしてくれた。こうしてチームメートたちにお返しできるなんて、とても素敵なことだよ。この勝利は僕らにとって大きな意味を持つ」(ロペス)
区間勝利を喜ぶと同時に、ロペスとモビスターは総合でも大きなアドバンテージを引き寄せた。最終的にマスを6秒、ベルナルを8秒突き放して区間2位に飛び込み、ボーナスタイム6秒もさらい取ってしまったログリッチの、総合首位の座こそ「不動」だったが、モビスターの2人は総合4位ヘイグとの距離を開くことには成功した。最後まで共闘し続けたバーレーンのヘイグとマーダーは、メインチェス、デラクルスと揃って58秒遅れでフィニッシュ。つまりヘイグの総合表彰台までのタイム差は、前日の35秒から1分43秒へと広がった。
もちろん総合5位ベルナルも、総合4位ヘイグに対する遅れは7秒差に縮めたが、3位ロペス=表彰台までの距離は1分50秒と大きいまま。奮闘の甲斐あってメインチェスとデラクルスはそれぞれ2つ総合順位を上げ、10位と11位につける。
ただ一番の勝ち組は、ログリッチとユンボ・ヴィスマだった。前日マイヨ・ロホを奪還しながら、この日は他チームがせっせとレースを動かしたおかげで、最終峠以外は責任ある作業から解放された。ログリッチはこの日も相変わらず強く、クスは総合7位と、大会3週目に入って毎日1つずつ総合順位を上げている。
「昨日の努力の後だったから、僕にとってはとてつもなくハードだった。今日の山を上れるだけの力が残っていたことに、満足してる。難関山岳をすべて終えたことも嬉しい。まだハードなステージは残っている。最後までベストを尽くし続けて、しっかり終えたいものだね」(ログリッチ)
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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