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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第18ステージ】激坂スペシャリストのミゲルアンヘル・ロペスがガモニテイルを制圧!「この勝利は僕らにとって大きな意味を持つ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそして2つ目の1級峠の途中で、新城は作業を終えた。幸いにも奮闘は無駄にはならなかった。1日の終わりに、バーレーンは、チーム総合首位の座を守り切った。
この無謀にも見えるバーレーンの追走は、間違いなく、逃げ集団の結束を打ち崩した。とてつもない大人数の上に、前方には、山の実力者が揃っていたはずだった。なにしろ今大会区間2勝マイケル・ストーラーに、区間1勝のラファウ・マイカ、同じく区間1勝でマイヨ・ロホさえ2日間着たレイン・タラマエが滑り込んだ。元ブエルタ総合覇者ファビオ・アルは、引退を3日後に控えて、おそらく人生最後の難関山岳ステージで逃げた。
山岳賞2位ストーラーは、当然ながら、まずは山岳ポイント収集にこだわった。チームメートにして山岳賞首位ロマン・バルデが「一番大切なのはチーム内に山岳賞を留め置くこと」と宣言した通り、1つ目の山頂では、ストーラーがきっちり首位通過。共に逃げた同僚テイメン・アレンスマンが山頂スプリントで2位通過を潰す念の入れようで、同賞5位マイカには3位通過しか許さなかった。
ただ2つ目の山で、ストーラーが早くもアタックを打ったのは、区間勝利を追い求めるため。ちょうど新城が2度目の仕事を終えた直後のことだ。いまだフィニッシュまで70kmも残っていた。それでも勇敢に加速を切った。
マイケル・ストーラー
「リードはたったの4分しかなかった。本気でペースを上げる必要を悟った。僕といっしょに何人か来てくれることを願っていた。でも僕が加速した時、誰も反応しなかった。残念ながら僕は1人だった」(ストーラー)
当然2つ目の山頂では、孤独に首位通過を果たした。加速を切ったおかげで、メイン集団との距離は最大5分45秒にまで開いた。山道を雨が濡らし、長くテクニカルな下りを、多くの選手が慎重にこなしたせいでもあった。
しかし下りきった直後に、再びタイム差は縮まり始める。残り52km。バーレーンに混ざって、モビスターが、いよいよ牽引作業に乗り出した。少し前までストーラーと共に逃げていたイマノル・エルビティも、メイン集団の合流を待ち、先頭を引き始めた。3つ目の山で逃げの大半が回収されると、UAEチームエミレーツも仲間に加わった。やはり、少し前にストーラーと山岳ポイントを争ったマイカが、総合13位ダビ・デラクルスのために熱心に引き始めた。
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