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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第5ステージ】ヤスパー・フィリプセンが豪快に区間2勝目をもぎ取った!「前回よりさらに美しい勝利だ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか道幅いっぱいに、自転車と選手が無残に折り重なる。その真ん中にマイヨ・ロホの姿もあった。どうやら自転車交換に手間取った。しかもスタート前のタラマエは「今日は1日中、ケヴィン・ファンメルゼンの後ろにくっついていくつもり」と語っていたが、そのファンメルゼンは地面に横たわっている。無傷の40人ほどが遠ざかって行き、すぐさま2つの大きな塊が前を追いかけ始めたが、そこにタラマエが滑り込むことは出来なかった。
集団落車
「またしてもラッキーな落車だったんだ。僕はほぼ問題ないし、ジャージさえ無傷だ。ただ好ポジションにつけていたのがよろしくなかった。だって落車は前方近くで起こったし、後方にいた選手たちはすり抜けていけたんだから」(タラマエ)
前方のプロトンは、決して無情にスピードアップしたわけではない。残り8kmで2つ目の追走グループが前をとらえ、120人ほどまで人数を戻した後も、しばらくは控え目な速度を保ち続けたのだ。ただし永遠に待つわけにはいかない。残り6.5km。再び前方プロトンはフルスピードへと転じた。
しかもロペスやカラパスは上手く抜け出し、ランダもアシストたちの尽力で前線復帰しーー新城幸也は自転車を頭上に抱え、歩いて現場を抜け出すと、その後メイン集団で猛烈に働いたーー、バルデがさえチームメートに支えられながら走り出した。その一方で、タラマエをサポートするはずの同僚は、どこにも見当たらなかった。しばらく孤独な追走を余儀なくされた。前から降りてきたチームメート2人が、ようやくマイヨ・ロホに合流したのは残り4km。すでに前方プロトンとの遅れは、1分40秒差に開いていた。万事休す。
落車の恐怖を味わったせいか、先頭集団はさらにクレイジーに前方へと急いだ。ただ幸いにも、タイム救済措置が発動する最終3kmに入ると、総合系チームは最前列から退いた。集団密集度は下がり、おかげでテクニカルなラスト2.5kmで、スプリンターチームは思う存分火花を散らすことができた。UAEチームエミレーツがロータリーを巧みに攻略し、アルペシン・フェニックスが、最終コーナーへ先頭で突っ込んだ。
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