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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第4ステージ】生死の境を彷徨った男が仲間と掴んだ復活勝利!ファビオ・ヤコブセン「長い道のりだった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「チームは素晴らしい事をしてくれた。本当に上手くやりたかったし、僕らは本当に上手くやったんだ。スプリントを打ったタイミングも良かった。本気で信じた(デマール)
しかし残り50m、左側から、ヤコブセンが突如として姿を表した。中間ポイントで脚を無駄に消費しなかったおかげで、2日間よりも「今日は脚が少し多めに残っていた」。思惑通りに、フィニッシュラインを先頭で駆け抜けた。
1年前の夏は、ベッドに横たわっていた。1本を除きすべての歯を失い、代わりに130針もの縫合跡が残された。その後も手術は繰り返し続いた。砕け散った顎の骨には、骨盤の骨を移植した。今年2月からは歯のインプラント手術を開始し、6月にはようやく白い歯で笑えるようになった。レース再開は4月だった。7月21日には、ツール・ド・ワロニーで復帰後初の勝利も収めた。
ファビオ・ヤコブセンが大怪我からの完全復活勝利、ブエルタ通算3勝目
「たくさんの時間と、たくさんの努力を要したし、たくさんの人々のおかげでもある。だから、これは、彼らの勝利でもあるんだ。つまりポーランドのあらゆるドクター、外科医、医療スタッフから、ここにいる第2の家族であるチームのみんなまで。その間に関わったすべての人々も。そして僕の家族の勝利でもある。だって彼らの存在こそが、僕がここにいる理由なんだから」(ヤコブセン)
あの落車の日も、復帰初勝利を上げた日も、そして復帰初のグランツール勝利を上げた今区間も、側で走っていたセネシャルは証言する。
「レース復帰後も決して簡単ではなかった事を知っている。口内を何度も手術したせいで、うがいで吐き出した水に、血が混ざることも多かった。でもヤコブセンは100%の力を取り戻した。それを人々の目の前で証明した。脱帽だよ。彼は自分が周りから受けとったものを、なによりこうして勝利でみんなに返してくれたんだ」(セネシャル)
区間勝利とともに、ヤコブセンは緑のポイント賞ジャージも手に入れた。チーム全員で力を合わせて戦ったデマールは2位で「後悔はない」と語り、やはりチームメートと勇猛果敢に突進したフィリプセンは、上りスプリント巧者たち……マグナス・コルトやアルベルト・ダイネーゼ、マイケル・マシューズ等々に割り込まれ、最終的に9位に沈んだ。
ほんのちょっとヒヤリとしつつも、タラマエは総合ジャージと山岳ジャージを守りきった。少なくともあと2日間は赤い栄光を楽しみたいと意欲を示す。もちろんエガン・ベルナルは何事もなく新人賞首位を守った。ロードブックによれば、ほぼ完全にフラットな翌ステージの終わりにも、やはり特筆することのないまま白いジャージに袖を通しているはずだ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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