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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第3ステージ】《未来の大物》と言われ続けたレイン・タラマエが涙の勝利「僕は自分自身を信じていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「とてつもない快挙だよ。僕は34歳で、もはやトライできる機会はそれほど多くは残されていないからね。グランツールのリーダージャージをずっと夢見ていた。少なくとも数日間ジャージを楽しんで、どんなものなのかを味わってみたかったんだ」(タラマエ)
21秒後にドンブロウスキーが山頂にたどり着き、エリッソンドは36秒後、カルメジャーヌは1分16秒後にフィニッシュラインを越えた。フランスの2選手は、マイヨ・ロホには手が届かなかったものの、それぞれ総合2位・25秒差、総合4位・35秒差にジャンプアップ。そしてこの2人のちょうど真ん中、総合3位・30秒差にログリッチが滑り込むことになる。
延々とコントロールを続けてきたユンボ・ヴィスマから、ミケル・ランダ率いるバーレーン・ヴィクトリアスが直前の3級峠で主導権を奪い取った。最終峠に向けて複数チームが隊列を走らせたが、10%超の激坂に突入すると、バーレーンが再び最前列を独占。5人で隊列を組み、凄まじいリズムを集団に強いた。
あまりの激坂とスピードに、脚のないものはプロトン後方から次々と脱落していった。残り4kmに差し掛かると、早くもログリッチが完全に孤立させられた。イネオス・グレナディアーズでさえ、ただトリプルエースが、1人ずつ、集団内のあちこちに散らばっているだけ。
リチャル・カラパス
しかも直後にはリチャル・カラパスが喘ぎ始めた。前日の落車分断で1分以上のタイムを失ったダビ・デラクルスのアタックに、やはり31秒落としたアダム・イエーツが反応したのがきっかけだった。バーレーンのマーク・パデュンが穴を埋めに走り、自ずと集団全体の速度は上がった。東京五輪ロード金メダリストの、金色のバイクが、じわじわと後退していく。
残り2kmを切ると、デラクルスとイエーツが、今度はオスカル・カベドの攻撃に追随。またしてもパドゥンがきっちり穴を埋め、孤独なログラは問題なく流れに乗った。ついにカラパスはとどめを刺された。
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