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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第2ステージ】ヤスパー・フィリプセンがグランツール区間2勝目でチームの偉業に貢献「最初の大きな目標は達成できた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそれでも逃げ集団のリードは、じわじわと、確実に、減っていく。最後の見せ場を作ろうと、フィニッシュまで残り31.5km、逃げ集団からルビオが飛び出した。他の2人を振り払うと、チームの本拠地ブルゴスへと向けて、独走をへと乗り出した。
「ファンのために全力を尽くした。あまりタイム差はつかなかったけれど、最後にトライした。横風か追い風を期待していたんだけど、でも、向かい風だった」(ルビオ)
残念ながら、ほんの10kmほどの孤独な奮闘の果てに、完全に息の根を止められてしまうことになる。2017年大会4日目、2019年14日目に続く人生3度目の敢闘賞を手に、残り20.5kmで、ルビオはメイン集団へと飲み込まれていった。
プロトン
プロトンはこれ以上は待てなかったのだ。なにしろ残り16.7kmに、中間ポイントが組み込まれていた。しばらく前から隊列を走らせていたアスタナ・プレミアテックは、ルビオ吸収と同時に猛烈な牽引へと切り替えた。さらには前夜6秒差で総合2位に泣いたアレクサンデル・アランブルを、前方へと送り出す。同ポイントに設置された、最大3秒のボーナスタイムを手に入れるために。
ただし、特に山の多いブエルタにおいては、スプリンターたちにとっても緑ジャージ用ポイントを収集する貴重な機会なのだ。だからこそドゥクーニンク列車に引かれて、ファビオ・ヤコブセンが首位通過=20ポイント=3秒をさらい取った。競り負けたアランブルは、2位2秒で満足するしかなかった。
勝負モードに突入したプロトンは、もはやスピードを落とさなかった。グルパマやドゥクーニンク以外のスプリンターチームも、熾烈な場所取りを繰り広げた。スプリントには興味のない総合系チームも、落車や分断を恐れてこぞって前に競り上がった。参加全184選手が狭い道にぎゅうぎゅう詰めになり、残り4km、恐れていた事態が発生する。集団落車ーー。
ボーラ・ハンスグローエから数人が地面に投げ出された。集団の約半分が後方に取り残され、中でもイネオス・グレナディアーズのエース格の1人アダム・イェーツと、昨大会総合3位ヒュー・カーシーが罠にはまった。しかもタイム救済措置が発動する残り3kmには、ほんのわずか足りない。2人の総合上位候補には、それぞれがフィニッシュラインを通過した時点のタイムが、ステージタイムとして記録された。イェーツは31秒、カーシーは38秒を失った。
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