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【Cycle*2021 クラシカ・サンセバスティアン:レビュー】カリフォルニア育ちのニールソン・ポーレスがプロ初勝利「言葉にすることすらできない」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「ガーミン(サイクルコンピュータ)で地図を見ていたんだ。他の選手たちはもしかしたらレースにあまりに集中しすぎて、あまり道を見ていなかったのかもしれない。僕は鋭角カーブが接近しているのを知っていたけど、そこで彼らは落車してしまった」(ポーレス)
モホリッチはそこから約2.5kmの追走でなんとかポーレスに追いつき、ホノレは「前に追いつくためにエネルギーを大量に使った」果てに、フィニッシュ手前1.5kmでようやく2人を捕らえた。ロタはついには逃げの友たちに合流できなかった(30秒遅れでフィニッシュ)。
「転ばずに切り抜け、フィニッシュへ向け可能な限りフレッシュな体調を保ち続けることができたのが嬉しい」(ポーレス)
すでにハイズキベルからの下りで加速し、一旦逃げだしてからは惜しみなく先頭を引っ張り、上りでは猛然とポーレスを追い、問題のカーブ後も追走に力を尽くし、さらにポーレスに追いついてからでさえ最前線で突進を続けたモホリッチは、残り200m、ためらわずそのまま力づくでスプリントに持ち込んだ。オノレも2連覇中のウルフパックの名にかけて、ハンドルを投げた。
しかしサイモン・カーの献身とガーミンのおかげで、極めてフレッシュなまま加速を切ったポーレスが、わずかに先んじた。拳を天に突き上げ、プロ4年目で初めての勝利をつかみ取った。今年で41回目を迎えたクラシカ・サンセバスティアンで、アメリカ人が表彰台の最上段に上がるのは1995年ランス・アームストロング以来2度目であり……、「ネイティブアメリカン」としてはもちろん史上初!
東京五輪を走らなかった3選手が男子表彰台を飾ったのだとしたら、女子はロードレース銀・個人タイムトライアル金をかっさらった勢いでバスクに直接乗り込んだアネミック・ファンフルーテンが、時差ぼけをものともせず見事な独走勝利。念願の大きな黒いベレー帽を手に入れた。
文:宮本あさか
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宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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