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サイクル ロードレース コラム 2021年8月2日

【Cycle*2021 クラシカ・サンセバスティアン:レビュー】カリフォルニア育ちのニールソン・ポーレスがプロ初勝利「言葉にすることすらできない」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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そのハイズキベルからの下りで、モホリッチが早くも存在感を放つ。「雨で路面が滑りやすくなっているからこそ、前を走らなければならない。特に下りでは」との選手哲学に則って、巧みに最前列へと躍り出ると、そのまま逃げ集団へとブリッジ。しかしプロトン屈指のダウンヒル巧者にして……なによりツールで200km超のステージを2つ、長い独走でもぎ取った絶好調モホリッチの加速を、もちろんユンボ・ヴィスマやイネオス・グレナディアーズが制御するプロトンは見逃すわけには行かなかった。濡れた路面で危険を冒し、急速にスピードアップ。下り切った地点で、一旦はスロベニアチャンプ+ロモを除く逃げ集団の回収に成功する。

この加速は、当然のように、メイン集団をいくつかに千切った。分断で出来た穴を埋めようと、さらなる加速が試みられ、ついには落車を引き起こした。中でもボーラ・ハンスグローエは7人の出場選手中、ツール総合4位ケルデルマンを含む3人がいっぺんに地面に転がり落ちた。全体の完走率が約6割のレースで、最終的にボーラからはたった1人しか完走できないという苦しい1日となった。

最後から2つ目の山、アーライツの激勾配にさしかかると、UAEチームエミレーツとEFエデュケーション・NIPPOが主導権を争った。そして残り45km、ランダのアタックに、EFからサイモン・カーがすかさず反応。あまり差がつきそうもない……とすぐに後方へ引き下がったバーレーン・ヴィクトリアスのエースに対して、EF所属の22歳は、構わず前進を続けた。

そのままカーを前で泳がせておいたのは、振り返ってみれば、間違いなくプロトンの判断ミスだった。だってイギリス生まれフランス育ちのカーは、日本とバスクの自転車ファンにとっては「悪天候巧者」でおなじみなのだ。2020年10月12日、日本選手2人が東京五輪の最後の出場枠をかけて争ったブルエバ・ビルフランカで、土砂降りの中、カーは独走勝利を飾っている。氷雨をはねのけて勇敢に赤いベレー帽を勝ち取ったカーは、この日も濡れた路面など恐れず先を急いだ。逃げ続けたロモを追い越し、メイン集団には最大約50秒もの差を押し付けた。

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