人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2021年7月15日

【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第17ステージ】最難関フィニッシュでポガチャル擁するUAEが強さを証明。マイヨ・ジョーヌ「僕はひたすら祈るだけ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

ポガチャルは素早くカラパスの背中に飛びついた。ヴィンゲゴーは一瞬出遅れながらも、「マイペースで走り」、残り200mでぎりぎり両者へと追いついた。区間の終わりには、この三者が総合上位3位を占める。パリの上位3位になるかもしれない。すなわち2021年ツール三強による、標高2215mへと向けた山頂スプリント。

「最終的に僕は最終50mをスプリントしただけ。それで十分だった」(ポガチャル)

正確に言えばもう少し長めの、最終100mからポガチャルは急加速に転じた。一気に2人を突き放すと、ヴィンゲゴーに3秒差、カラパスに4秒差をつけてフィニッシュラインへ飛び込んだ。初出場の昨ツールで3つ勝利を重ね、今第5ステージでも圧倒的優位を示した早熟な才能にとって、早くも人生5つ目のステージ優勝。ただしマイヨ・ジョーヌ姿でフィニッシュラインを一番に越えたのは、正真正銘、この第17ステージが初めてだった。黄色いジャージの胸に燦然と輝くチーム名を、ポガチャルは大いに誇示した。あらゆるメディアから繰り返し「ポガチャルの唯一の弱点はチーム」と批判されてきたことに対する、これはひとつの答えだったのかもしれない。

2位に飛び込んだヴィンゲゴーは、そのままウランの抜けた穴、つまり総合2位へと昇格を果たした。ポガチャルとの総合差は5分39秒。3位カラパスとの距離は前日の1秒差から、この日の終わりには4秒差に広がった。また4位後退のウランは、総合首位までの遅れが7分17秒に大きく拡大したのはもちろん、総合表彰台までも1分34秒差と遠くなった。フランス最後の希望の星、ダヴィド・ゴデュは単独で前方3人を追いかけたが、区間4位で満足するしかなかった。

2021年のマイヨ・ジョーヌを巡る戦いはあと4日。うち2日間はスプリンター向けで、1日はストップウォッチ相手の独走だから、すると総合勢が「直接」対決でライバルを蹴落とすチャンスはあと1日。翌日の第18ステージの、今大会最終山頂フィニッシュだけ。

「いやいや、ツール・ド・フランスの戦いは、シャンゼリゼの最終周回の最終ストレートを抜けて、フィニッシュライン上で終わるんだ。自転車レースとは、常に不運が襲い掛かる可能性がある。何が起こるかわからない。僕はひたすら祈るだけだよ。とにかく、ツールが『終わった』などと、まだ考えてはいない」(ポガチャル)

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ