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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第14ステージ】43kmの独走劇!バウケ・モレマが4年ぶり2度目のツール区間勝利「すべての勝利がスペシャル」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそして戦いは振出しに戻る。メイン集団はひとつになり、新たな逃げが飛び出した。直後に上り始めた2級峠で、ワウト・プールスとマティア・カッタネオが先行を始める。そこにマイケル・ウッズが加わって、ようやく逃げ集団の基盤ができ上った。スタートからすでに2時間以上がたっていた。
背後から追いかけてきたセルヒオ・イギータ、パトリック・コンラッド、オマール・フライレ、ルイス・メインチェス、エステバン・チャベス、ギヨーム・マルタン、そしてバウケ・モレマの7人は、残り70kmで前を行く3人に合流した。時間差で飛び出したカンタン・パシェ、ピエール・ローラン、ヴァランタン・マデュアス、エリー・ジェスベールのフランス人4人も、残り60kmで先頭をとらえた。最終的に14人に大きくなった逃げ集団は、マイヨ・ジョーヌ親衛隊UAEチームエミレーツが黙々と制御するプロトンとの差を着実に広げていく。
逃げ集団
ステージ後に複数選手が証言したように、しかし逃げ集団は協調に少々難があった。山岳賞争いが熾烈過ぎたせいかもしれない。なにしろ赤玉3位ウッズ、4位プールス、5位モレマが滑り込み、9位イギータや13位マルタンも得点的にはそれほど離れてはいない。疑心暗鬼の睨み合いが繰り返された。
そうは言っても積極的にポイント収集に走ったのは、9日目マイヨ・ア・ポワを1日だけ着用したプールスと、いまだグランツールで賞ジャージ着用未体験のウッズだけ。89km地点2級峠ではプールスが、続く110.3km地点の2級峠ではウッズが先頭をさらい取った。126.3kmの3級峠では、遠くから仕掛けたスプリントを制し、再びプールスが1位で頂を越えた。ただし2位通過のウッズが1ptを追加し、この時点で山岳賞首位へ躍り出た。
この山からの下りで、ところが、ウッズは地面に転がり落ちてしまう。残り約50km。すぐに立ち上がり、それほど苦労せずに逃げ集団にも返り咲いた。ただし山岳賞以上のなにか……ステージ勝利を追い求めることはできなかった。次の2級峠=最終峠で2位3ptを積み重ねるだけで精一杯だった。
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