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サイクル ロードレース コラム 2021年7月5日

【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第9ステージ】チームにツール区間20勝目をプレゼント!真夏の凍える戦いを制したベン・オコーナー「ひたすら信じ続けた」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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しかも第8ステージ終了時点で総合8分13秒遅れにつけていたオージーは、残り57km地点で「暫定」マイヨ・ジョーヌへと浮上した。前区間のとてつもない長距離アタックで、有力な総合ライバルたちに大量のタイム差を押しつけたポガチャルだが、もしかして「マイヨ・ジョーヌにまつわる義務=集団制御、表彰式、記者会見、ドーピングコントロール」を一旦放棄するつもりかもしれない……そんな憶測も駆け巡った。ただしオコーナー本人はジャージ獲りのことなど二の次だったし、ポガチャル本人も、ジャージを手放すつもりなど決してなかったのだけれど。

「マイヨ・ジョーヌのことはちっとも考えなかった。だって僕が取れるか取れないかは、決して僕個人で決められることではなかったからね。すべては後方のプロトン次第。僕はステージ優勝だけで十分だった。もちろん手に入るのであれば喜んで受け取るけれど、本当に、ステージ優勝だけに集中したんだ」(オコーナー)

そのオコーナーは、ロズランの山の上で、寒さのせいで手が完全に麻痺してしまったという。本人曰く「まるでナマケモノのようにダウンヒル」をしているうちに、コロンビア2人組に先に行かれてしまった。しかし決して諦めなかった。血の巡りをよくするため何度も手を上下にぶんぶん振り回し、ありったけのジェルを口に流し込み、ついに息を吹き返すと、谷間でまんまと2人を捕らえるのだ。

季節外れの悪天候はとうとうコロンビア人の身体機能をも弱らせた。残り22km、突然キンタナが動けなくなった。ハンガーノックだった。残り17kmでは、イギータが脱落する番だった。ティーニュへと誘う長い山道で、オコーナーはひとり先頭になった。

「ポガチャルが後方でアタックを打つかもしれないと怖かった。ただタイム差は把握していたし、このまま走り続けば、脚が痙攣して動かなくならない限り、僕が勝てると分かっていた。ひたすら信じ続けた」(オコーナー)

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