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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第5ステージ】怪物的速さでポガチャルがライバルを蹴散らしステージ制覇!マイヨ・ジョーヌを守ったマチュー「自転車人生の中でも最高の1日」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかところが、ツール区間初優勝まであと6人……に迫ったところで、この1日にすべてをかけてきたキュングは、非情にも台座から引きずりおろされてしまう。たった1日ではなく、3週間全体の成功を追い求めているはずのポガチャルに、19秒もの差をつけられて!
「自分にできるすべてを尽くした。僕はすごく、すごくいいパフォーマンスをしたんだ。自転車は完璧に準備されていたし、スタッフも最高の仕事をしてくれた。責めるべき部分など一切ない。自分にできることをやったのだから。もちろん失望している。僕は勝つために戦ったのであって、2位になるためではなかった。2度目のタイムトライアルステージでリベンジするさ」(キュング)
22歳の王者には誰もがお手上げだった。第1中間地点を1位通過でぶっ飛ばしたあとも、決してそのスピードは衰えなかった。たとえば同じ地点をポガチャルの次点=7秒遅れで通過した「区間大本命ナンバーワン」ワウト・ファンアールトや、「ジャージ保守に全力を尽くす」と宣言していたマチュー・ファンデルプールを、第2地点ではそれぞれ21秒と22秒、フィニッシュではさらに30秒と31秒……とほぼ同じようなペースで引き離していった。昨ツール総合覇者は、プランシュ・デ・ベルフィーユの時とまるで変わりなく、火の玉みたいにフィニッシュラインへと突っ込んできた。
「これまで走って来たタイムトライアルの中でも、今日のステージはかなり上出来だよ。調子は最高で、脚も上手く回った。フィニッシュまでなにも余計なことを考えず走り抜けることができた。体調は昨ツールとほぼ同じくらいのレベルに達している」(ポガチャル)
ちなみにこれほどの好走が出来た理由は、自己分析によると、自転車の上で最適なエアロポジションを見つけだせたこと。ティレーノ~アドリアティコの後、バスク一周の前、つまり3月末から4月序盤にかけて、ポガチャルはタイムトライアルに特化したトレーニングを行った。
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