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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第4ステージ】ファンが待望した世界最速の帰還!嬉し涙に濡れたカヴェンディッシュ「僕の瞳には執念の炎が燃えていた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかフィニッシュ後にマイケル・マシューズに祝福されるカヴェンディッシュ
「新たな一発を繰り出せたことは、単純に、幸運なこと。このレースが僕に今の人生を与えてくれたし、僕はこのレースに自分の人生を捧げてきた。2008年に初めて区間を勝った日から今日まで、僕は夢の中を生きている」(カヴェンディッシュ)
カヴェンディッシュにとってはツール区間31勝目。エディ・メルクスの保持する史上最多34勝まで、ついにあと3つに迫ったことになる。またグランツールでは49勝目。2011年に持ち帰ったマイヨ・ヴェールも、2016年に6日間着用して以来、5年ぶりに袖を通した。
「ツールで区間を勝つことがどれほど難しい事なのか、みなさん忘れかけていたよね。だって僕は30回も勝ったから。でも決して簡単ではないんだ。最も難しかったのは、この30ステージを勝つために僕がどれだけの犠牲を払ってきたのかを理解しようとしない人々と、付き合っていかねばならなかったこと」(カヴェンディッシュ)
4日目にして初めて、プロトンはひとつの大きな塊のままフィニッシュ地に帰って来た。全身包帯だらけで「ミイラ男」とのあだ名されたプリモシュ・ログリッチも、前日の落車で肩脱臼に苦しんだゲラント・トーマスも、無事に先頭集団で1日を終えた。主要な総合争いに変化はなく、マチュー・ファンデルプールが3日連続でマイヨ・ジョーヌ表彰台に臨んだ。
「明日はスペシャリスト向けのステージだ。一方の僕は、タイムトライアル用バイクに乗ることはあまりない。タイムトライアルではエアロダイナミクスが非常に重要で、この点に関してはあまり練習したことがない。だから難しいだろうな。でも、もちろん、このジャージを守るために、出来る限りの努力を尽くす」(ファンデルプール)
ちなみに1時間ほどの全力疾走を常とするシクロクロスやMTBの選手は、個人タイムトライアルに強いことで知られている。ファンデルプールが色々な自転車を乗り分ける能力を持っていることもまた……公然の事実なのだ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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