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サイクル ロードレース コラム 2021年6月30日

【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第4ステージ】ファンが待望した世界最速の帰還!嬉し涙に濡れたカヴェンディッシュ「僕の瞳には執念の炎が燃えていた」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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【ハイライト】ツール・ド・フランス 第4ステージ|Cycle*2021

遠いところから帰って来た。2016年第14ステージ以来、止まっていた区間勝利カウンターが、再び動き出した。マーク・カヴェンディッシュが、ツール・ド・フランス区間31勝目をその手でがっちりとつかみ取った。36歳の偉大なるチャンピオンが嬉し涙にくれた背後では、23歳ツール初出場のブレント・ファンムールが悔しさに肩を落とした。落車も危険すぎるルートもなく、ただペダルにこめた力だけが、大会4日目の物語を作り上げた。

マイヨ・ヴェールを着たカヴェンディッシュ

マイヨ・ヴェールを着たカヴェンディッシュ

「この場にいられることだけでスペシャルなんだ。このレースには2度と戻ってこれないかもしれないと考えていたから。信じられない。去年の僕は穴の底にいて、3週間でさえ、今の状況を夢にも見なかった。だから表彰台に上がったとき、とてつもない感激を覚えた」(カヴェンディッシュ)

まるで屠畜場のようだった第3ステージの翌日、177人の傷ついた戦士たちは、小さな抗議活動を行った。本スタートから1km地点で、1分間の完全停止。さらには10km地点まで、ノーアタック・ノーレースの態度で、ゆっくりとペダルを回した。

ここブルターニュの生んだ「アナグマ」ベルナール・イノーがかつて先導したような、本格的ストライキとは違う。1978年大会のプロトンは、「我々はサーカスの動物ではない」と労働環境の劣悪さを訴え、フィニッシュラインを全員が歩いて越えたのだ。実は今朝も、50km地点までレースを完全に放棄し、そこで一旦停止し、さらに50kmをのろのろ走ろう……という声も上がっていたとか。ただし遠くからわざわざ沿道に応援に来てくれるファンたちのために、レースを止めてはいけない。そんな思いがプロトンを思い留まらせたという。10km地点を過ぎ、マイヨ・ジョーヌを擁するアルペシン・フェニックスが加速をうながすと、普段通りにレースが始まった。

そうは言っても、リズムは急激には上がらない。前日の落車でスプリントエースのカレブ・ユアンを失ったロット・スーダルからブレント・ファンムールが飛び出し、そこに「毎日エスケープに乗る」ことがチーム全体目標のコフィディス所属ピエールリュック・ペリションが加わると、プロトンは至極あっさり逃げを見逃した。なにしろ激烈すぎた3日間で疲れた心身を癒す必要があったし、翌日の個人タイムトライアルを控え、総合優勝候補たちは出来る限り体力を温存したかった。そもそも山岳ポイントが1つもないステージに、関心を示す選手は多くなかった。2人の小さな逃げは、最大3分弱のリードが許された。

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