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サイクル ロードレース コラム 2021年6月27日

【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第1ステージ】暴力的な努力の果てに掴んだ栄光。アラフィリップ「だからこそ勝利はよりいっそう美しいものになった」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「乳酸がたまってきつかったし、フィニッシュラインまではひどく長かった。一瞬ふとこれは自殺行為なんじゃないかとさえ本気で考えた。とてつもなく暴力的な努力だった。だからこそ勝利はよりいっそう美しいものになった」(アラフィリップ)

頭を何度も振ったのは、「想像さえしていなかったシナリオ」だったから。右手の親指を口で加えたのは、もちろんほんの10日ほど前に生まれた「モン・プチ」長男ニノ君に捧げるため。最後は天を仰ぎ、それからたくさんのガッツポーズ。

アラフィリップ

アラフィリップ

「すでに僕のツールは『成功した』と言ってもいい。だって美しい勝利とマイヨ・ジョーヌで今大会をスタートすることができたんだから。本当に満足だ」(アラフィリップ)

アラフィリップにとってはツール通算区間6勝目。区間を2018年から4年連続で競り落としてきたのだとしたら、マイヨ・ジョーヌは3年連続で身にまとった。また2003年に設立されたドゥクーニンク・クイックステップの発表によれば、どうやら記念すべきチーム通算グランツール区間100勝目だったらしい!

勝者の雄叫びが鳴り響いた8秒後、マイケル・マシューズが小集団スプリントを制し、ログリッチが3位でボーナスタイム4秒を回収した。もちろんアラフィリップ本人も10秒のボーナスタイムを手に入れ、総合では2位マシューズに12秒差を付ける。2019年14日間、2020年3日間とまとってきた黄色い衣を、すると、今回は……どれくらい守れるだろうか。

「僕の目標はタイムを稼ぐことではなく、勝つこと。もちろん明日の第2ステージもフィニッシュは僕向き。心の底から全力を尽くすつもり」(アラフィリップ)

アラフィリップは例のごとく「総合は狙わない」そうだから、本気の総合勢では、ログリッチが14秒差3位でトップにつける。18秒差にタデイ・ポガチャルやゲラント・トーマス等々の強豪がひしめき、リチャル・カラパスは23秒差で追いかける。ロペスが1分59秒差、ゲイガンハートが5分43秒差と大きく出遅れ、イスラエル・スタートアップネイションはダン・マーティン5分43秒、マイケル・ウッズ8分59秒、フルーム14分47秒と早くも総合系3人が脱落した。

また1つ目の巨大落車でヤシャ・ズッタリンが大会リタイア1号となり、2つ目の落車ではシリル・ルモワンヌとイグナタス・コノヴァロヴァスが大会を去った。フィニッシュエリアに設置された移動レントゲン室はフル稼働で、入れ代わり立ち代わり傷ついた選手たちが診断を受けた。

ステージ後にツール開催委員会は、1つ目の落車の原因となった観客の女性を訴えるつもりであることを発表した。「ツールの主役や英雄は選手たちなのだ。自分がテレビに写るために沿道に来てはならない。あの態度は決して受け入れられないし、許されるものではない」と、大会委員長クリスティアン・プリュドムも厳しく言及する。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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