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【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 第6ステージ:レビュー】バルベルデがイネオス勢の連日の奇襲許さず「どの勝利も特別で、美しいものばかりだ」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介「総合成績についてはロペスやマスに任せるよ。彼らはいつだって頼もしいし、第7・第8ステージは2人にとってピッタリのコースだしね」(バルベルデ)
ロペスによる終盤の強力な牽引によって、メイン集団に残ったのは20人。この選手たちがそのまま総合争いへと駒を進める。ペストルベルガーが大きく遅れたこともあって、マイヨ・ジョーヌはこのステージを2位でスタートしていたアレクセイ・ルツェンコに回ってきた。彼自身、普通通り走ればイエロージャージが自分にめぐってくることを計算しながら走っていたという。
「ハードなステージだったけど、マイヨ・ジョーヌのために走ったんだ。今日の目標はその1つだけ。自分から攻撃するつもりはなかったし、モビスターとイネオスの動きを注視していれば、狙った結果は得られると思っていた」(アレクセイ・ルツェンコ)
目的通りスペシャルなジャージを手に入れ、残りの2ステージをいかにして乗り切るか。いまなお、総合タイム差1分以内に16人がひしめく大激戦である。
「ジャージを守るために戦うつもりだ。ヨン・イサギレも控えているから、いくつかのカードを切りながらレースを進められる強みもあるしね」(ルツェンコ)
報道陣からは「チームとしてはヨン・イサギレで総合を狙うの?」と問われたルツェンコだが、簡単に手放すつもりはないという。レースの流れからイサギレにジャージが渡るなら問題ないが、残るステージのスタート前からイサギレに任せる前提で走っているようでは戦術が狭まってしまう。もっとも、このままトップの座を守れるなら自分のものにしたい。ルツェンコは本気だ。
第7ステージで大会はヤマ場を迎える。頂上に近づくにつれて勾配が厳しくなるコル・デュ・プレと、8%前後の上りが淡々と続くラ・プラーニュ。趣きが異なる2つの超級山岳がプロトンの前に立ちはだかる。特に、頂上にフィニッシュが置かれるラ・プラーニュはローラン・フィニョンやアレックス・ツーレらが激走を見せた伝説の上りだ。数々の名場面が生まれた場で、今大会の覇権争いは大きな局面へと突入する。
文:福光俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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